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第二話 ページ3
「はぁっ…はぁっ…うぇっ」
ベースを背負い小脇にカバンを抱えて現在全力疾走中な俺、犬上A。
途中までは学園に向かってタクシーで順調に進んでいたが、大通りに出たところで渋滞にひっかかった。
「くっそ…許すまじ…!」
俺は渋滞を恨みながら桜並木の道を駆ける。4月後半の今でも桜は綺麗に咲いている。
カバンだけならまだしも、背中にベースを持っているからとても走りにくい。その上重いために体力がもたない。ただですら運動不足だというのに。
遅刻だけは嫌だという執念から、限界だと訴えてくる足を無理やり前にだし、走る。走る。走る。
というか無駄に長いなこの桜並木道。いつになったら学園に着くんだ…!
そうして、ガムシャラに走っていると、絶望的な音が耳に入った。
キーンコーンカーンコーン
チャイムだ。しかもきっと、東雲学園の。
「やばいっ」
俺はさっきよりも速いスピードで駆ける。
お願いします。どうか、間に合いますように…!
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作者名:蜥蜴 | 作成日時:2018年8月20日 18時