シルエット４

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赤side


忘れかけてた、
深い深い感覚を思い出した。

他には代わるもののない、
恍惚とさえした、幸福感。

それは、ともとしか、感じられへん。


今日は急で、用意もしてなくてさ、
お互いに触れ合うだけにしよう言うてんのに、

ともが寂しがってねだるから。


繋がって、抗えへんうねりの中に身を任せて。


無理はさせへんように、
ゆっくり丁寧に抱いたつもりやねんけど・・・


けど、離れてた時間を埋めたくて、
なかなか離してやられへんかった。


お互いにからからに乾くまで、
愛し続けて。


さすがに疲れ果てたみたいで、

俺の腕の中で、

ともは、目を閉じて、微睡んでる。


すやすや寝息立てて、無防備な顔して。


「ほんま、可愛ええてたまらんわ」


とも、俺以外の誰とも出来へんかったって言うてた。


女の子とも、小瀧とも。


小瀧には、とにかくもう、嫉妬しかないねんけどな。


とも、はぐらかすん上手いから、

どういうシチュエーションまで進んだんかは、
結局、曖昧なまんまやしさ。


当然やけど、
キスぐらいはしてたみたいで、
それだけでも、嫉妬の炎がめらめらやねんけどな。

小瀧みたいな高身長イケメンで、
その上おしゃれな都会っ子より、

クソダサい田舎もんの俺んがええって、

ともって、相当レアな子やって思う。


「可愛いっ。
好きやで、とも」


寝てんの分かってんのに、
何回も何回も言うてまう。


むにゅむにゅ言うて、
ともが、俺の首に腕回して、抱きついてきた。

愛おしさで、胸、張り裂けそうやって。


「好きやあ。好き。大好き。
おやすみな、とも」


ちゅっ、ちゅって、ほっぺにキスしてから、
俺も目を閉じる。


もうずっと離したくない。

今日からずっと二人で暮らせたらええのに・・・








て、そういうわけにもいかへんねんな。


研究室に篭ったり、
かてきょと塾講のバイトあるし、
フットサルの練習も。


軽音サークルの練習がなくなった分は、

修に紹介してもろて、
居酒屋のバイトを詰め込んだ。


どうしても、
クリスマスに、
ともが欲しがってるピアスあげたいねん。


ともが言うには、
私文の４回生って暇やねんて。


そんで、
流星と大学の他の友達らと、
卒業旅行の計画立ててるねんな。

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