私の居場所【すとぷり】

27話 ページ29

｢...なーくんとこ行くよ｣


『待って』



さすがの気持ち悪さに彼も顔を歪め、
そう言って私の腕を掴んだ。



『...なーくんのとこ行ってどうするの。』



｢これはAだけの問題じゃない｣



『それはそう、だけど

リレー終わっちゃったら、』


｢別に良くない？｣



『よくない！！』



そう言って私はころちゃんの腕を振りほどいた。
彼は目を見開いたものの少し怒ったような表情に変わった。



｢...Aだけじゃ解決できないでしょ｣



『大丈夫だから！！みんなには関係ない！！』



叫ぶように言い放つと、
開かれていたパソコンの電源を無理矢理シャットダウンした。



｢...そっか｣



ころちゃんは怒ったような悔しそうな顔で
拳を握り締め、部屋を出て少し強く扉を閉めた。



私はその場にへたり込むように床に座り込み、
くしゃり、と髪をかいた。



こんなの、八つ当たりだ。



スマホからDMを開き、さっきのアカウントを
ブロックして床に寝っ転がった。



リスナーさんからたくさん
DMやリプが送られてきていた。



「Aちゃんお疲れ様！」


「楽しかったよー！」


「次も早く聞きたい！」



声が掠れて、涙がでた。
自分の不要さとさっきの気持ち悪い記憶で
私はそのまま部屋にあったゴミ箱に
たいして入っていない胃の中のものを吐き出した。


『がんばらなくちゃ、』

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