68 ページ18
kr side
kr「まぁ急に沢山動いて疲れたでしょ、今日は寝な」
『そうします、ありがとうございます』
お休み、と言ってベッドから立ち上がり自分のデスクへと向き合う
カーテンが閉まった音を確認し、思い切り伸びをして力なく椅子の背にもたれた
Aちゃんのリフレッシュになったようでなによりだ、
だけど
微かに光っていた彼女の右手の薬指を思い出す
…やりやがったな、ぶるーく
どこにも消化することが出来ない怒りを感じる
別に指輪をプレゼントするのは良いと思う、いや良くないが
しかもそれを薬指に付けるのはなぁ…
確信犯である事を理解し、苛立ちを覚える
何日後かに他の奴らにバレて怒られているぶるーくが何となく想像出来た
それでもアイツは優越感に浸っていられるのだろうけど
kr「っくそ…」
何も出来ない俺との差を見せつけられているようで嫌になる
もちろん自覚はしている、
他の奴らがアピールしている中、俺は医師という立場を使って彼女と距離を縮めるという外道な事をしているのは
だが俺は彼女と一緒に居れればいい、そう思うだけだから
立場に甘えるのは許してくれ
そう思いながら無意識に彼女の顔を思い浮かべている事を理解する
こりゃ重症だな、と思わず呆れた笑いが漏れた
 ̄
683人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆり | 作成日時:2023年4月29日 22時