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ピエール先生も言っていた。
この暑い夏を、このインターハイの舞台を楽しんでくださいと。
金城先輩と、田所先輩、巻島先輩。
３年生の３人と走れる最後の･･･レースなんだから、怖がって萎縮しているなんてもったいない。
荒北さんが飛び出して新開さんの前に飛び出した。
嘘･･･さっきまであんなにフラフラだったのに･･･。
ドクリと心臓が跳ねて、すごく嫌な気持ちになる。
「荒北･･･さん･･･？」
「姫？どうしたっショ？」
「･･･っ。い、え･･･」
ドクドクと心臓が煩い。
荒北さんの背中が、消えそうな蝋燭の火みたいに霞んでしまいそうで･･･。
私は･･･総北の勝利だけを考えなくちゃいけないのに、どうしてこんなに胸がざわつくんだろう。
「靖友！！！」
遠くから新開さんの叫び声が聞こえて顔を上げる。
荒北さんが････箱学の列車から離れていって、どんどん私たちに近づいてくるのが見える。
「ぅ･･･そ･･･。や、やだ･･･っ」
「姫･･･。前を見るっショ」
私たち総北が荒北さんを抜かしていこうとする瞬間、私は荒北さんに思わず手を伸ばす。
私の手が荒北さんに届くその瞬間、その手を巻島先輩が取った。
「･･･っ。や、荒北さん････っ」
「姫っっ！前を見ろ！！」
「先輩･･･っ。だ、だってっ。私、あの人がいなかったら････ここまで･･･っ。荒北さん･･･っっ。見えなく･･･なっちゃいます･･･っ」
「姫！！」
「････っ！」
前を走っていた今泉くんが、前を向いたまま口を開く。
「あの人は力尽きた。精一杯チームの為に仕事をして、仕事を終えた。･･･それだけだ。たった一枚のジャージをどこよりも早く届ける為に、他のジャージは必ず犠牲になる。それがロードレースというものだ」
今泉くんの言葉は、正しい･･･。
だけど･･･。
「３年の先輩はそれが分かっているから振り向きもしないんだ」
「･･･ふぇっ。ぅ･･･っ」
溢れる涙を片手の甲でグシグシと拭うけど、涙は止まらない。
巻島先輩は私の手を離すと頭の上にぽんと手を置いてくれた。
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瑠璃色の夢(プロフ) - 佐藤悠真さん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾何度も評価出来ないことを初めて知りました（汗）応援ありがとうございます♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年4月25日 1時) (
レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤悠真(プロフ) - このお話大好きでいつも閲覧させてもらってます。でもそこに襲いかかってくるのが評価は一度しかできないという冷たい現実…(泣)いつも応援してます！更新頑張ってください！ (2020年4月25日 0時) (レス) id: 44efc3fddb (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - みー姉さん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾好きの一言にたくさんの気持ちが篭っているのを感じてとても嬉しくなりました。その一言で十分です！今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年4月24日 1時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
みー姉 - 好きです。私もローディーで…とか最初から読んでます…とか、初コメですとか、色々言いたい事はあったはずなのですが、頭悪い感想しかなくなりました。好きです。 (2020年4月24日 0時) (レス) id: fdbf7ce13f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - Lienさん» 嬉しいコメントありがとうございます♪何度も読み返してくださっていると聞いて心がポカポカになりました＾＾頑張って続けていきますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年4月2日 17時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2019年12月17日 2時
