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肩に回った手の温もりに自然と涙が零れ落ちる。
「････たくよぉ。黙って背中撫でられてんじゃねぇっつーの！」
「ふぇ･･･っ。荒北、さん･･･」
グシグシ涙を手の甲で拭うと、荒北さんは１つ溜息を漏らして、柔らかい声になった。
「見てたぜ。あの不思議ちゃん助けてテメェが巻き込まれやがって。トンでもねぇお人よしだな。姫は･･･」
「あ、らきた、さんこそ･･･。東堂さん、助けて･･･」
「ばーか！俺はあれだ。いろいろ考えてだな。つうか、俺には俺の役割があんだよ」
涙目で見上げると、荒北さんは私と視線を合わせてくれる。
その真剣な表情に冷え切っていた私の心は安心感に包まれていく。
周りの選手たちは広島のチームに置いていかれたことで混乱していて、あれだけの勢いのあった集団が崩壊しつつある。
私はもう一度残った涙をきゅっと拭うと、小さくなっていく広島の人たちの背中を見つめた。
「荒北、さん。あの、きょ、協調って･･･。まだ有効･･･ですか･･･？」
「あん？」
「情けないお話ですが、私１人では、もうこの集団を抜けることも、出来ません･･･。誰かが、前を走ってくれていないと、私は持っている力さえ、使えないんです･･･」
「･･･ああ。あの力か」
ハフハフと息をしながらも伝えると、荒北さんは私の力がどんなものだったか思いだしているみたい。
震える手でしっかりとハンドルを掴みながら、荒北さんを見上げる。
「私と･･･協調、してもらえませんか･･･？そしたら、私･･･。全力で荒北さんの背中、押しますから･･･。お願い、します･･･」
「ばっかじゃねぇの」
「･･･っ」
荒北さんの言葉に絶望を覚える。
そ、そうだよね。
こんな非力な私を連れてみんなに追いつこうだなんて、この状況で頷く人なんているわけがない･･･。
俯きかけた私の肩に回っていた荒北さんの手に力が篭って、ゆるゆると再度荒北さんを力無く見上げると、荒北さんは私を見下ろして口角を上げる。
「ばっかじゃねぇの。んなの当たり前だろ。改めてお願いしてんじゃねぇよ！協調？やってやろうじゃねぇの。･･･俺が、あいつらんとこまで連れてってやんよ」
「･･･っ。あ･･･ありがとう、ございます･･･っ」
荒北さんは前方を睨みつけて『それに･･･』と続けた。
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瑠璃色の夢(プロフ) - 佐藤悠真さん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾何度も評価出来ないことを初めて知りました（汗）応援ありがとうございます♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年4月25日 1時) (
レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤悠真(プロフ) - このお話大好きでいつも閲覧させてもらってます。でもそこに襲いかかってくるのが評価は一度しかできないという冷たい現実…(泣)いつも応援してます！更新頑張ってください！ (2020年4月25日 0時) (レス) id: 44efc3fddb (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - みー姉さん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾好きの一言にたくさんの気持ちが篭っているのを感じてとても嬉しくなりました。その一言で十分です！今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年4月24日 1時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
みー姉 - 好きです。私もローディーで…とか最初から読んでます…とか、初コメですとか、色々言いたい事はあったはずなのですが、頭悪い感想しかなくなりました。好きです。 (2020年4月24日 0時) (レス) id: fdbf7ce13f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - Lienさん» 嬉しいコメントありがとうございます♪何度も読み返してくださっていると聞いて心がポカポカになりました＾＾頑張って続けていきますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年4月2日 17時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2019年12月17日 2時
