弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第７期】

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雑誌に載ったことは、本当に荒北さんから電話があるまで知らなかったこと。

どうして県予選に出たかと聞かれて、先輩たちが私に経験を積ませてくれる為にだと思うと予想の範囲でお話した。


それから、私は精神面でとても弱いので、総北の自転車競技部の人たちと離れて精神修行をすることになっていたらしいこと。

そのタイミングで箱学の監督さんが前回のお詫びとして受け入れてくれたこと。


当の本人の私は、合宿に一緒に参加できると思っていて、ここに送ってもらうまでは箱学にお世話になることを知らなかったとお話する。

全部本当のことだし、総北の情報とかデータを流しているわけではないから後ろめたいことなんてない。



「前回の合宿でも思ってたが総北は姫に過保護なのか放任主義なのか･･･。マジで参るぜ･･･。そんで？」

「え？それで･･･と言いますと･･･？」

「だからぁ。県予選に出た姫が、まさかインターハイに出てくんじゃねぇだろうな？」

「ふぇ･･･っ？いえ、それはないと思いますよ･･･？」



私の返答に荒北さんは眉を寄せて考え込んでいる。



「何でそう思うんだよ？」

「え･･･？だって、合宿内容は言えないですけど、今回の合宿でインターハイメンバーが決まるそうですから･･･。私は既にここにいる時点で不参加状態ですし･･･」



そうお返事すると、荒北さんは明らかにホッとした表情になった。



「まあ、大体は、分かりたくねぇが分かった。･･･たく」

「は、はい。あの、思いがけず来てしまいましたが、よろしくお願いします･･･っ」



そう荒北さんを見上げて言うと、荒北さんは頭をわしゃわしゃと撫でてくれて、だっこしてテーブルから下ろしてくれる。

そして手を引いてくれたので、荒北さんに着いて廊下に出ると、廊下でウロウロとしている箱学レギュラーの人たちが見えた。

私と荒北さんが廊下にいるのを見つけると、新開さんがホッとした顔でこちらに歩いてくる。



「靖友。いきなり姫さんを連れ去るから心配したじゃないか」

「うっせーよ！こっちはいろいろ話があったんだよ！」



新開さんの言葉に荒北さんが荒ぶっているけど、心配をかけてしまったことに申し訳なく思った。

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