１１ ページ11
「んぅー･･･っ。････っ！ぅーっ！･･･はぁ」
「･･･う、動きませんね･･･」
「･･･ああ」
必死に腕を引き寄せようともがいてはみたんだけど、うんともすんとも動かない･･･。
はふはふ呼吸だけは上がるから、ある意味いい運動にはなっているんだと･･･思いたい。
見るに見兼ねた泉田さんが私の座っているシートの前部分に膝を置いて手を伸ばして補助してくれる。
泉田さんに両脇のバーを引き寄せてもらってやっと１回、バーを引き寄せることに成功した。
「･･･か弱い。女の子というのはこんなにも非力だとは知らなかった･･･」
「ぅ･･･っ。い、いつか出来るようになります･･･多分･･･きっと･･･およそ･･･？」
「ふっ･･･はは。およそときたか」
「で･･･出来るといいなという、希望です･･･」
眉を下げて笑う泉田さんは、いつもより年相応な男の子に見えて、さっきまで悔しい気持ちだったのに、私まで笑ってしまった。
金城先輩は大丈夫だと判断したのか、足を鍛えてくると出て行くと、泉田さんは少し砕けた口調で言う。
やっぱり他校とはいえ、先輩がいると気を張ってしまうのかもしれない。
泉田さんは、バッグから５００ｍｌのスポーツドリンクを取り出して『これなら持てるだろう？』と渡してくれる。
首を傾げると、泉田さんはもう１つペットボトルを取り出して説明してくれた。
「このペットボトルを横向けて、上から両手で掴む。そしてこう、ゆっくりと腕を伸ばしたまま真上に、そこで５秒。そしてゆっくりとまた前に。肩の高さまで下ろして、そう、そこでストップ。５秒数えたらゆっくり下まで下ろして」
「この重さなら全然大丈夫ですよ･･･？」
「うん。そうだろうけど、これ、５分繰り返して３分休憩。それを１０セットやってみて。最初は軽くても今の君にはこれでも辛くなってくると思うよ」
泉田さんがマシーンを使っている間、私は言われた通りやってみることにした。
結果････泉田さんの言うことは正しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも感想ありがとうございます＾＾こんなに遅い時間にまで読み進めてくださっていたのだと感動してしまいました★毎日１話更新しておりますのでご無理なさらず読んでくださると嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします(*^^*)因みにこの時間が執筆構想時間です★ (2019年8月14日 1時) (
レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 今回のお話では涙目になってしまうシーンがあったり、ほわほわするお話もあってとっても楽しめました♪次も頑張って下さいね！ (2019年8月14日 1時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - az☆azさん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾弱虫姫箱学偏も楽しそうですね♪この小説が落ち着いたら書いてみたいと思います！今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします＾＾ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
az☆az(プロフ) - とっても面白いです！箱学として通ってる姫も読んでみたいです！お時間の方があればよろしくお願いしますm(_ _)m更新頑張ってください！ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 22cdeb44e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 猫柳さん» 嬉しいコメントありがとうございます＾＾とても励みになります♪毎日更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします＾＾ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2018年12月14日 0時
