１４ ページ14
巻島side
今日は寒崎さんの車に乗せてもらって、寒崎さんと金城と俺の３人でインターハイ予選レースの出場権をかけた周回ロードの大会に偵察へ行くって話だったっショ。
金城が誘ったらしいが、姫も参加していて驚いた。
ロードジャージを着てる時も華奢な体だと思ったが私服の姫は更にそう思えた。
いや、別にジロジロ見るつもりはないっショ。
会場に着くと、いつも通り賑わっていて、姫は埋もれてしまいそうで怖いと感じる。
そんな時、敵情視察に向かう寒崎さんから、手を繋いで姫を迷子にさせるなという俺には難易度の高いオーダーが支持されて、軽口を叩きながら何とか姫の手を握る。
何だこの小せぇ手は。
一瞬で握り潰せそうっショ。
軽く姫の小さな指の隙間に自分の指を滑らせ握ると姫の手が固まるのが分かる。
そんな態度に俺の心拍数も加速した気がしたが、俺はグラビアに出てるような女が好みっショ。
姫の容姿は確かに可愛いし、パッと見はフランス人形のような繊細な美しさがあるが、手足は細ぇし、体は内臓入ってんのかと疑問に思うほど薄いし、胸はねぇし、尻も出てねぇし、そこらの小学生と混ざったら、背の高さもねぇから黒髪なら見つけられないくらい小せぇっショ。
そう言い聞かせて戸惑っている自分の気持ちをやり過ごした。
選手のテント区画を抜けると販売テントがあったのを思い出して、姫を連れて行ってやったら喜ぶんじゃねぇかと思った。
思った通りの反応で嬉しそうに売られているものを見て回る姫に口元が緩む。
俺が他人に気遣えるなんて、東堂に知られたら、
『巻ちゃーんっ。俺にもその愛を降り注いでくれても構わないのだぞっ！さぁっ！』
とか言いかねないっショ･･･。
ストロベリーと書かれた札の前で、姫が視線を止めて、大きなたれ目がちの薄紫色の目が輝いたのが微笑ましくてつい餌付けをしてしまう。
ご褒美とか理由つけて先輩面して俺ってば何様っショ･･･。
そんなことを考えながら迷子にしないように、姫の小さな手を握り直してふと気づく。
こんなとこ東堂なんかに見られたら面白がって姫をもみくちゃにするに決まってるっショっ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にわなずな(プロフ) - 5ページ東堂が藤堂になってますね (2019年12月28日 23時) (
レス) id: d640b39bc8 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» いつも嬉しいお言葉をありがとうございます＾＾励みになります。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年8月13日 21時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 姫ちゃんの頑張る姿に感動をおぼえました！ストーリーも面白かったです♪ (2019年8月13日 19時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - Tukineさん» 嬉しい感想をありがとうございます＾＾とても励みになります。今後も頑張っていきますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年8月12日 14時) (レス) id: 86b4dd6b0b (このIDを非表示/違反報告)
Tukine(プロフ) - 姫が可愛いです。妹にしたい。皆の構いたくなる気持ちがわかります。 (2019年8月12日 0時) (レス) id: cec2b3b425 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2018年11月5日 0時
