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ちょうど着替え終えたみんながロードに出て行く。
その背中を見送りながら、先輩も私も無言で窓の外の景色に視線を向けていた。
「小野田くん･･･。落車することが、増えたんです･･･」
「･･･そうか」
「いつも、何かに、追い詰められた顔･･･しているんです･･･」
「････ああ」
きゅうっと抱きしめてくれる巻島先輩の胸に耳を寄せて、少しだけ早い心音を聞く。
こんな穏やかなゆっくりと動く時間ももうすぐ無くなってしまう。
「俺は･･･。坂道には、想いは全部伝えた」
「巻島先輩･･･」
「あとは、･･･あいつ次第っショ」
先輩の胸元のシャツをきゅっと握ると、先輩のしなやかで長い腕が私の背中を包んでくれる。
「先輩･･･。私、熊本のレース、本当に行っていいのか、悩んでいるんです」
「？金城も来てくれって言ってたっショ。手嶋や青八木も、寒崎さんもいるんだ。心配ないっショ」
「･･･足りません」
「足りない･･･？」
私はわざとほっぺを膨らませて先輩の胸から顔を離して見上げる。
巻島先輩は少し動揺しているみたいだけど、今の私は子供だと言われたって構わなかった。
「巻島先輩が、足りません･･･。どうしても、出発の日はその日でないと、駄目なのですか･･･？」
「姫･･･？姫が我が侭言うなんて、青天の霹靂っショ」
「青天の霹靂･･･？」
「青く晴れ渡った空に、突如雷鳴が響く。要するに、予期しない突然の出来事。かなりの驚きってことっショ」
「わ、私だって、ワガママくらい、言います･･･っ。それに････すぐ落ち込んだり、悩んだりしちゃいます･･･」
そう言ってまたほっぺを膨らませると、巻島先輩は『くはっ』と楽しそうに破顔した。
「姫は、人に迷惑をかけない悩み方をするんだな」
「え･･･？そ、そうでしょうか･･･？」
「１人で頑張るのと同じくらい、人を頼るというのも大切なことっショ」
「･･･はい。私には、頼りになる大人な人が、たくさんいるんでした･･･」
そう返すと巻島先輩は満足そうに目を細めて頷いた。
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よもぎ杏(プロフ) - うわぁぁぁぁあああああなんで今こんな神小説に出会ってしまったんだろう、、夢主可愛い。更新停止してる......復帰して欲しい。気長に待ってます。 (2022年10月16日 19時) (
レス) id: 3c2e0a45eb (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 色々言いたい事(感想)はあるんですけど、とりあえず、皆尊い!!好きです。(唐突) 更新、待ってます! (2022年9月15日 2時) (レス) @page24 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
恭也 - 更新頑張ってください!!青八木さんと手嶋さんが3年になって、インターハイに出場するところ。早く読みたいです!更新、待ってます。 (2021年8月10日 21時) (レス) id: d15eb96a1c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ゆゆさん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾そう言っていただけてとても励みになります♪頑張って更新続けますので今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2021年1月26日 20時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 最近読み始めてハマりました！これからも頑張ってください！ (2021年1月26日 20時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2020年8月14日 11時
