19 ページ19
室内だというのに青空が広がり薄い虹がかかり可愛らしい小鳥が飛んでいくという光景が広がっています。
「わぁ。きれー、でしゅ」
「ふふーん♪ここはね。僕の職場だよ!この風景は毎日気分で変えるんだ。今日はるうの好きそうな風景にしてみたんだけどどうかなぁ?」
「さでぃの。おしごとば?」
サディは自分の職場である王城の中にある魔法省に転移していました。
その風景はるうのために変化させていたようですがなんとなくリクたちからるうを引き離したかっただけのサディでしたのでこの後どうするかということまでは考えていませんでした。
「はは・・・。僕も人の事言えないなぁ」
「?」
「何でもないよ。じゃあそうだなぁ。るうは何かしてみたいこととか行きたい場所はある?」
サディはにっこりとるうに笑顔を向けると行きたい場所を聞いてきましたが、もちろんこの世界では生まれたてのるうです。
るうは生まれた初日から傍にいてくれたリクとカイと離れていることが不安でたまりませんでした。
大きな瞳がみるみる潤んでいき、涙の膜が盛り上がったと思うと次の瞬間にはるうは子供のようにぼろぼろと大粒の涙を流して顔を真っ赤にしていきます。
必死に小さな両手で目を擦って泣き止もうとしますが一度決壊した涙腺は言うことを聞いてはくれず、自分の意思で涙を止められないるうは更に頭の中が迷子になってしまいました。
呆然とその様子を眺めていたサディはハッと我に返ると慌てて抱っこしていたるうをあやすように上下に揺すりました。
「る、るーう。ほらほら。怖くないよ!大丈夫だよっ。だから泣き止んで。ほーら。上を見てごらんっ。景色も変わっていくよ。あー・・・・。駄目かぁ」
何度も天井の景色を変化させながら慌てていたサディでしたが次の風景に切り替える前に外の景色を透過してしまいました。
そこで目に入ってきたのは緑の混じった黒い雲が空を覆い、先程まで晴天といってもよかった空からは大粒の雨がガラスにうちつけられたような景色です。
「やっぱりルナーの感情に影響を受けちゃうんだね・・・・。仕方ない。今日の冒険はここまで・・・・」
ここまでだとサディが声にしかけた時、大きな破壊音と共に砂煙が舞い上がりました。
サディは瞬間的に防御膜を張り、るうの目を片手で覆って庇うと視界が開けるまで扉を見つめ、その扉と言えなくなった穴の前にリクが険しい顔をしたまま立っていました。
182人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ダリア - バルさん!素敵です!!ログさんもっと絡みが見たいです!ルイくん可愛い!!良いぞ、もっと、るうちゃんを愛して!!! (2022年9月15日 7時) (レス) @page49 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(*´-`) (2021年6月9日 0時) (レス) id: a790115b23 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - kuroさん» いつも嬉しいお言葉をありがとうございます^^何度も読んでくださっていると聞いてとても励みになりました。愛おしいだなんて・・・(嬉泣)今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年9月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも癒されてます!最後まで読んだ後に最初から読み直してますが読む度愛おしさが増すばかりです!これからも頑張ってください^^ (2020年9月16日 15時) (レス) id: 922f0caa1e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 月さん» 嬉しいコメントありがとうございます^^リメイク前を読んでくださっていたのですね(嬉)あの時の瑠璃夢が現在の瑠璃色の夢でございます。改めて今後もよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年8月22日 2時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年6月12日 4時