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田所先輩の頬を両手で触れると先輩はいつものように、へっと笑って私を見下ろす。
「私、いつもいっぱいいっぱいで、進めなくなっちゃうのです。そんな時は、いつも田所先輩が笑い飛ばして、私のお悩み、お空の彼方に飛ばしてくれました」
「へっ。そうか。････俺も、捨てたもんじゃねぇな。ははははっ」
「ふふ。そうですよ。先輩は最高の先輩なのです」
「ああ･･･。ありがとよ！」
２人で笑い合った後、巻島先輩に視線を移すと、巻島先輩は私のしたいことを汲み取ってくれて、田所先輩の腕の中から私をだっこしてくれる。
巻島先輩の頬に触れると、先輩は私の手の平に頬を摺り寄せて優しげに目を細めた。
「巻島先輩･･･。先輩の言ってた通り、自転車を始めて、私の人生、変わりました･･･」
「クッハっ。そう言ったっショ。姫、インターハイの大舞台。楽しかっただろう？」
「ふふ。はい･･･。とても･･･っ。私、先輩の言葉がきっかけで、自転車競技部に入ったのですよ･･･」
「そう、か。そうだったんだな。俺が、癒しの姫君のきっかけ、か。ミラクルっショ」
幸せそうに微笑んだ巻島先輩に、釣られて笑顔になる。
そして３年生３人の顔を１人ずつ見渡して、私は精一杯の笑顔を向けた。
「私、手嶋先輩と、青八木先輩と･･･１年生のみんなと･･･。もう一度走れるように。頑張ります･･･。必ず、走りますから、その時は･･･」
「ああ。卒業しても必ず見に行く」
「約束だな！」
「クッハっ。楽しみが増えたっショ」
「手嶋先輩、青八木先輩･･･。今泉くん、鳴子くん、小野田くん。私、どんなに時間がかかっても、頑張って必ず走れるようになるので、あの･･･待っていて、くれますか･･･？」
そう伝えると、みんなが笑顔で頷いてくれた。
クシャクシャの泣き出してしまいそうな情けない顔だったと思うけど、これが今の私のいっぱいいっぱい。
それでも、きっと伝わっているって自信を持って言えるんだ。
だって、私の大好きな人たちなんだから。
その後、病室まで送ってもらって少しお話した後、みんなは帰っていった。
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ダリア - 語り足りない!!姫ちゃんって凄く鈍感なんですね。無意識に人を虜にしていっちゃうんですよね。最高です!d('v')荒北さんの赤面ご馳走さまです。空さんと松本さん好きです。魅力的なキャラを出して下さって有難う御座います！皆との絡みも嬉しかったです。 (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 56047c544e (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - えっ...?(困惑)こんなに甘〜い雰囲気醸し出しといて、荒北さんと姫ちゃんまだ付き合ってないんですか!?!?心がｷﾞｭﾝｷﾞｭﾝして顔が熱くなってしまいました。青八木先輩の言葉で姫ちゃんは独りじゃない、皆と一緒に走っていけるんだって思うと嬉しくて涙が出ました。 (2021年3月26日 21時) (レス) id: 56047c544e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - オレンジチョコさん» 嬉しい感想をありがとうございます＾＾１年生編もう少し続きます（土下座）もうしばらく３年生がいるお話にお付き合いくださると幸いです。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年8月9日 3時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジチョコ(プロフ) - いつも楽しみにしながら待っています！！早く瑠璃色の夢さんの小説で新三年な方々や新一年などが見たくて堪りません！！これからも頑張ってください！！ (2020年8月8日 11時) (レス) id: 49cee51175 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - 瑠羽さん» 嬉しい感想ありがとうございます＾＾読み返してくださっていたのですか（嬉）確かに荒北さんと姫ちゃんはどこか恋愛的甘さがありますよね（幸）ですが総北２年勢が私の中で大暴れしてそうはさせてくれなくて★（ついでに巻ちゃん）今後も見守って頂けると嬉しいです♪ (2020年6月28日 16時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2020年5月2日 3時
