第1夜ー誤ー ページ6
ーーー
…
…目が、覚める。
窓の外は明るい。
私は柔らかい布団の中に寝ていた。昨日の事を思い出そうとする。
…少し、もやがかかる。
スマホを手探りで探そうとしていると、紙片が指先に当たって、それを手に取った。
【おはよう。体調は平気?昨日はすごく疲れてたんだよね、ごめんね】
と、綺麗な字で手紙が書いてあった。
……赤司くん……
お礼を言おうと思い、布団から出る。
……今日は、セミが静かだな。
そんなことを思いながら、部屋のドアを開けて、廊下に出る。
……今は、8時。みんな起きてるかな。
『みんな……起きてる……?』
部屋のドアをノックする。返事がない。
首をかしげていると、後ろから
「皆さんは居ませんよぉ。」
と、声をかけられた。
『あ……新崎、さん。昨日はご迷惑をお掛けしました。』
そうお詫びすると、新崎さんはいえいえ、と笑い私に近づいて小声で聞いてきた。
「あのぉ、大越では言えないんですけどねぇ。貴女の御仲間の金髪の男の子。あの子が朝から居なくなってたらしいんですわぁ。」
『……えっ?、』
「うちも警察に連絡したんですけどねぇ……変なんですよぉ……」
新崎さんが何かを言おうとしたその時、旅館の玄関がすごい勢いで開いた。
「新崎さん!!!今すぐ医者と警察を!!!!!!早く!!!!」
『あ、赤司くん……!?』
赤司くんが汗だくで帰ってきた。ジャージには血がついている。
「A……、よかった、無事だったんだね。」
赤司くんは優しく笑って、私の頭を撫でる。
「いいかい?……しばらくの間、この旅館から出ないで欲しい。黄瀬は見つかった。けど、君には見せられない。……今から新崎さんとその場所に行く。キセキの皆が戻ってくるだろうから、彼らを落ち着かせてくれないか。」
『……あ、……うん、分かった……』
新崎さんが慌てて赤司くんについていく。
そして、入れ替わるように、赤司くんを抜いたキセキの皆が帰ってきた。
……皆、泣いて、怒って、絶望して……、そんな顔をしていた。
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KAME(プロフ) - ききき、黄瀬・・・?ゾクッとする怖さが素敵な小説ですね・・・!これからも応援してます! (2019年4月2日 1時) (レス) id: fdbbe5c8da (このIDを非表示/違反報告)
ららら - めっちゃ怖いです…けど、面白いです!応援してます! (2019年4月1日 22時) (レス) id: f00fc4fb29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろた | 作成日時:2019年2月12日 21時