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「京本くんと、付き合うことになった」
次の日、紗英ちゃんと北斗と三人で帰った時。二人にそう伝えた。
「やっぱりね、そろそろだと思ったのよ。おめでとう、A」
「・・・」
紗英ちゃんは得意げに笑ったが、北斗は無表情だった。
「・・・・・・北斗?」
「・・・おめでと笑 Aが京本好きとか初耳なんだけど笑」
「あ、そういえば北斗に言ってなかったね。実は結構前から好きだった笑」
「・・・そういうことは早く言っとけよな笑」
北斗が苦しそうに笑った気がした。が、気のせいかなと思い追及しなかった。
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それから京本くんは、告白されても「俺、彼女いるんだ。ごめんね」と断ってくれるようになった。
京本くん狙いの女子は多いので嫌がらせをされたりしないかなと心配だったが、そういうこともなく幸せな日々を送っていた。
そして、京本くんと空き教室で勉強していた三月初めのある日。
「俺、もっとAと一緒にいたい」
「・・・え、急にどうしたの」
「これからはずっと、毎日俺と一緒に帰ってほしい」
そう言われて嬉しかったが、お昼は京本くんと一緒に食べているので、毎日京本くんと帰ってしまうと紗英ちゃんや北斗とゆっくり話せる時間がなくなってしまう。
「ごめん、嬉しいんだけど、紗英ちゃんたちがいるしそのお願いは聞けな」
「だめなの?」
冷えた声だった。今まで、聞いたこともないような。
「・・・・・・あ、だめじゃ、ない。一緒に帰る」
「良かった、ありがとう」
初めて、京本くんの微笑みが少し怖いと感じた。
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作者名:あいす | 作成日時:2022年8月10日 2時