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もう一人の十二鬼月 ページ7

「坊や、話をしよう」という、先ほどとは別人のように穏やかな声が聞こえた。

炭治郎が声の方向を見る。
声の主の少年は胸に手を当てて、自分を落ち着かせるようにして話し始めた。

「僕はね、感動したんだよ。君たちの『絆』を見て。
体が震えた。この感動を表す言葉はきっとこの世にないと思う。」

炭治郎は禰豆子を守るようにして抱きかかえていた。

「でも君たちは僕に殺されるしかない。悲しいよね、そんなことになったら。」

だけど、回避する方法が一つだけある、と鬼は言う。

「君の妹を僕に頂戴。大人しく渡せば命だけは助けてあげる。」

鬼が提案したのは、驚くべき内容だった。

鬼の言葉を否定するように、禰豆子を抱く手に力を込める。

「そんなことを承知するはずないだろう。それに禰豆子は物じゃない。自分の想いも意志もあるんだ。お前の妹になんてなりはしない。」

「大丈夫だよ。心配いらない『絆』を繋ぐから。僕の方が強いんだ。恐怖の絆だよ。逆らうとどうなるかちゃんと教える。」

鬼の言葉に「ふざけるのも大概にしろ!!」と、刃を向ける。

温かい、今はもうなくなってしまった自分の家族を思い出す。

「恐怖でがんじがらめに縛り付けられることを家族の『絆』とは言わない!その根本的な心得違いを正さなければお前の欲しいものは手に入らないぞ!!」

炭治郎の言葉に、会わないね君とは、とまるで耳を貸す気のない鬼に、炭治郎は「禰豆子をお前なんかに渡さない」と強い口調で言いながら立ち上がる。

「いいよ別に、殺して取るから」

「俺が先にお前の首を斬る」

空気が緊張感でピリピリと張り詰める。

威勢がいいなぁ、やれるならやってごらんよ、と鬼は隠れていた左目をあらわにする。



「十二鬼月である僕に勝てるならね」

左目には、「下伍」の文字が刻まれていた。

伊之助の走馬灯→←偽物の絆



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇   
作品ジャンル:アニメ
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弥月(プロフ) - kannaさん» こちらこそありがとうございます!応援してます! (2019年10月13日 9時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - 弥月さん» コメントありがとうございます。初めての投稿になるため不安でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。読んでいただいて、本当にありがとうございます。続き、頑張って書きますね!! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 73f13c0ff4 (このIDを非表示/違反報告)
弥月(プロフ) - コメント失礼します。最初から一気に読ませていただきました!言葉では表せない程夢主ちゃんの心の強さや優しさが本当に素敵だなと思いました!言葉おかしかったらすみません…!続き、楽しみにしています!(*´`*) (2019年10月13日 4時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - アーロさん» 申し訳ありませんでした。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございません。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kanna | 作成日時:2019年10月12日 10時

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