潜入捜査 ページ23
藤の家に着くと、宇髄は「遊郭に潜入したらまず俺の嫁を探せ。俺も鬼の情報を探る」と言った。
その言葉に真っ先に反応したのは善逸だった。
「ふざけないでいただきたい自分の個人的な嫁探しに部下を使うとは!!」
「はぁ!?何勘違いしてやがる!!」
「いいや言わせてもらおう!あんたみたいに奇妙奇天烈な奴はモテないでしょうとも!だがしかし!鬼殺隊員である俺たちをアンタ、嫁が欲しいからって」
「馬ァ鹿かテメェ!!俺の嫁が遊郭に潜入して鬼の情報収集に励んでんだよ!!定期連絡が途絶えたから俺も行くんだっての」
真顔の善逸は、「そういう妄想をしてらっしゃるんでしょう?」と宇髄に言い放つ。
宇髄は、証拠とばかりに烏経由で届いた手紙を善逸へと投げつけた。
ずいぶん多いですね、と炭治郎が尋ねると、三人いるからな、嫁。と宇髄はさらりと言い放った。
その時、善逸に電流走る。
「三人!?嫁…三!?テメェなんで嫁三人もいるんだよざっけんなよ!!」
再び騒ぎ出す善逸の腹に宇髄の拳が直撃した。
「俺の嫁は三人とも優秀な女忍者、くノ一だ。花街は鬼が潜む絶好の場所だと思ってたが、俺が客として潜入した時、鬼の尻尾は掴めなかった。だから客よりももっと内側に入って貰ったわけだ。
すでに怪しい店は三つに絞っているから、お前らはそこで俺の嫁を探して情報を得る。
”ととき屋”の須磨、”荻本屋”のまきを、”京極屋”の雛鶴だ。」
真面目に話す宇髄の前で、「嫁もう死んでんじゃねぇの?」と能天気に言い放った伊之助。
もちろん腹に宇髄の拳が直撃し、善逸とともに地に沈んだ。
女装した三人はそれぞれ炭治郎はととき屋、伊之助は荻本屋、善逸は京極屋に潜入することとなった。
翌日。
定期連絡の時間に、善逸は現れなかった。
伊之助は鬼の姿を見たらしいが、身振り手振りで説明するためよくわからない。
その時、「善逸は来ない」という静かな声が聞こえた。
前日の声が嘘のような、冷たい声だった。
宇髄は静かな声のまま、「お前たちには悪いことをしたと思っている」と続けた。
「俺は嫁を助けたいがためにいくつもの判断を間違えた。善逸は今行方知れずだ。
昨夜から連絡が途絶えてる。お前らはもう花街から出ろ。階級が低すぎる。ここにいる鬼が上弦だった場合対処できない。」
宇髄は淡々と事実を述べる。
消息を絶ったものは死んだと見做す。後は俺一人で動く。
最後にそう話すと、静かな風の音と共に宇髄の姿は消えていた。
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弥月(プロフ) - kannaさん» こちらこそありがとうございます!応援してます! (2019年10月13日 9時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - 弥月さん» コメントありがとうございます。初めての投稿になるため不安でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。読んでいただいて、本当にありがとうございます。続き、頑張って書きますね!! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 73f13c0ff4 (このIDを非表示/違反報告)
弥月(プロフ) - コメント失礼します。最初から一気に読ませていただきました!言葉では表せない程夢主ちゃんの心の強さや優しさが本当に素敵だなと思いました!言葉おかしかったらすみません…!続き、楽しみにしています!(*´`*) (2019年10月13日 4時) (レス) id: 6d130177f0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - アーロさん» 申し訳ありませんでした。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
kanna(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございません。こちらの確認不足です。オリジナルタグ外しましたのでご確認ください。 (2019年10月12日 11時) (レス) id: b959b235dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kanna | 作成日時:2019年10月12日 10時