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5* 気付く ページ7

暖かい太陽の光が当たる町をひたすらゆっくりと歩いていく。

太陽が真上に昇る正午。
平日ということともあり、周りに人はあまり居なかった。

地を踏みしめる感覚。僕が、ここに存在していて、歩いていると、よく分かる。

…なんで、外に来たんだっけ。

そんな疑問が頭へと浮かび、足を止めて回れ右をする。

そして、歩きだそうとした。

した、だけ。
正確に言うと、できなかった。

目の前には、おそ松兄さんとトド松が仲良さそうに歩いていた。
普通の、仲のいい兄弟の光景。
だけど『それ』を見ていると何故か胸の奥がぎゅうっと強く、手で握り占められた様な感覚になる。

……変だな。

前まで、こんなこと無かったのに。

病気だろうか。なんて考えてみる。

……本当は理由なんて分かっていた。
でも、どうせ気持ち悪がられて、
相棒という関係、兄弟という関係さえも崩れていきそうで。

兄に対して嫉妬心や独占欲を抱くなんて、気づきたくなかった。

だけど、どうやら僕は自分のことには鋭いようだ。

気づいてしまった、この


恋心に。



「……駄目だなぁ、」

声を出したら、涙が出てしまいそうだったけど、漏れてしまった声は、涙は
戻すことなんて出来なくて。

涙が、声が、零れる直前に酷い痛みが走る。

漏れる嗚咽、汗。

止まらない痛み、涙。

逃げたいのに、痛みに勝つことなんて出来ず、その場に倒れ込み、目を押さえ込み、喘ぐ。

痛い、いたい、イタイ

そんな思いだけが頭の中をぐるぐる、ぐるぐるとひたすら廻っていく。

目の前の二人は僕に気づいたのか、走る足音が聞こえてくる。

誰が近づいてきたのかなんて、目を抑えてて分からないが、きっとおそ松兄さんとトド松だ。

この涙の痛みは、すごく痛いけど最近は痛みの抑え方のコツを少しずつ掴んでいた。
……だけど、何でかなぁ

今日は、いつもより心も目も倍以上に痛く感じるんだ。

意識が途切れる瞬間
ぼやけた視界に映ったのは、
聞こえてきた声は


誰のだったのだろう。

「チョロ松!!」


.

6* 痛い→←4* 溜め息



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紫乃ーあお。ー(プロフ) - 腐ったさん» 閲覧ありがとうございます。お褒めいただき光栄です、!はい、がんばります! (2016年12月7日 19時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
腐った - 速度松....やっぱいい!シリアスでも、こういうシリアスなら全然好き!これからも、更新頑張ってください! (2016年12月6日 18時) (レス) id: de0e05823d (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ーあお。ー(プロフ) - トゥメイトゥーさん» おぉ!分かって下さる方が……!!wwやっぱ速度は夫婦ですよね!! (2016年10月13日 23時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
トゥメイトゥー - 速度松は夫婦に強く同感です…!w (2016年10月13日 22時) (レス) id: 95fb6f08a4 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ーあお。ー(プロフ) - ゆきさん» 閲覧有り難うございます!これから頑張って投稿させていただきますね! (2016年10月6日 20時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫乃ーあお。ー | 作者ホームページ:http://UKi  
作成日時:2016年8月25日 20時

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