緑色の涙は赤黒く【速度松】

２* 目元 ページ4

sideおそ松




…………あいつ、昨日泣いてた？

目の下には濃い紫色のクマと赤黒い小さな血の塊。

チョロ松は生まれつきで涙が血になって出てくる。
世界的に珍しい…奇病？とか何とか。

泣いてるとき、凄く痛そうなんだけど……
声に気づかなかったって事は声を出さなかったか、別の部屋で泣いてたのか？

…どっちにせよ、そのチョロ松の行動に苛立ちが募る。

理由は単純で、頼ってくれないから。
頼ってもらったところで何か変わる訳じゃない。
俺が痛みを変わってやれる何てことできないし、出来たとしてもチョロ松自身が嫌がるだろう。
でも、頼ってくれたら、一人で抱え込むよりは楽になるかなとは思う。

……６つ子でも、一応長男だし。
……あいつの、相棒だし。

俺らの約束

─────『お前が溺れてたら、僕も一緒に、溺れてあげる。』

チョロ松の病気が判明したときにした、遠い約束。

あいつは、忘れてるんだろうな。


「おそ松兄さん。顔、洗わないの？」

少し顔が濡れているチョロ松が俺のかおを覗き込む。

「！……洗う。」

顔に集まった熱を誤魔化そうと冷水を顔に浴びせる。
…冷た。

駄目だ、こんな感情。分かってても無理なんだ。
諦めないと。

弟で、相棒の、こいつを


好きになるなんて。

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