緑色の涙は赤黒く【速度松】

１８*　大好きな人 ページ21

…ど、どうしよう。勢いで、おそ松兄さんに…… ｯ
告白しちゃったよぉぉぉぉ！？

「っえ、す、好きって……、えっ？」

顔を真っ赤にしてアホ面のおそ松兄さん。
……どうやって誤魔化そう。

一番に考えたのはそれだった。
だって、きっと気持ち悪がられるに決まっている。
兄さんに嫌われてしまえば今度こそ僕は死ぬ。えぇ、確実に。

ぐるぐると頭の中で討論していると、おそ松兄さんの口から予想もしていない言葉が漏れた。

「…お、れも」

えっ、と顔をあげて間抜け面をしていると、

「だーかーらぁー！兄ちゃんもお前のこと好き、なんだよ。何回も言わせんなシコ松…」

耳まで真っ赤に染まった兄さんがそう言う。
シコ松って呼ばれたけど、今はそれどころじゃない。

兄さんが、僕を好き？

兄弟としてとかではなく、恋愛感情をもって言ってることだと、兄さんの赤い顔が物語っていた。

それは、今までに感じたことのないほどの喜びで不安でもあった。
兄弟が付き合う。しかも同性。
これ以上に周りから嫌われる要素を詰め込んだものはあるのだろうか。
いやまぁあるだろうけどね。

「…チョロ松。」

「っは、はい！」

声が裏返る。恥ずかしさで顔に熱が集まって行くのを感じた。

「俺らは兄弟だし、男だし、不安もいっぱいあるだろうけどさ、
その不安を消すぐらいチョロ松を愛したいんだ。」

「あ、愛しって…」

恥ずかしげもなく笑ってそう言う長男。
おいさっきのピュアっ子はどこいったよ。

「それにキスだってしたいし抱き締めたりもしたい。
…それだけじゃ、チョロ松と付き合えない？」

……あぁ、やっぱり。長男様には敵わないや。
「だめじゃない…です。」

だってそんなこと言われたら、断るなんて無理でしょう？

「ならきまり。これからよろしくな…彼女さん？」

はにかみながらそう言う長男に胸がときめく。
ってか、え？

「か、彼女！？」

「だってチョロちゃん受けじゃん。
それに俺押し倒す方が好きだしぃ？」

何いってんだこいつ…！？

「やっぱ、嫌いだクソ長男」

「んぇ酷くない？」

その日は手を繋ぎ家へ帰った。


昔の、相棒時代のように___

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