緑色の涙は赤黒く【速度松】

１* 相棒兼兄弟 ページ3

「……ん…、ふぁ…。」


重たい瞼をゆっくりと開き、カーテンから漏れている朝日を横目に欠伸をする。

横を見ると９時だと言うのに爆睡中の長男。
…他の皆はもう起きたのだろうか。
深いため息を一つつき、布団から出ようとする。

するといきなり後ろから服を引っ張られ、その勢いで先程まで寝ていた布団へと戻ってしまう。
余りにいきなりの出来事で状況が上手く飲み込めない。
……なんで僕布団に倒れてるの。

少しの間固まっていると隣からクスクスと、笑い声が聞こえる。

本当、なにしやがるんだ。

「おそ松兄さん……」

ジト目で兄さんを睨んでいると悪戯っぽい笑みを零して「わり」と言う。
ったく……。

おそ松兄さんは何かと僕に絡んでくる。
そりゃあ相棒とかいわれて僕達もそれを認めてたけど。

「何なんだ、この人……。」

「んーっ…。さっさと下降りて飯くおーぜ、チョロ松。」

立ち上がり、伸びを一つして僕にそう言う兄さん。

「……今日は起きるの早いんだ。」

「何かな、目ぇ覚めたから。」

そういえば、皆も早いよね。とか話しながら階段を下りていく。



僕の顔を見ておそ松兄さんが歩くのを止める。

「……おそ松兄さん？どうしたの、僕の顔になんかついてる？」

「あ、別に。何でもない。居間行く前に顔洗いに行こうぜ」

「え？あ、うん。いいけど……」

おそ松兄さんに背中を押される。
……何か、変だな。

おそ松兄さんの行動に違和感を抱きながら僕らは洗面所へと向かった。

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