１４* 存在ごと ページ16
「何だよ……それ。
僕は一人だけ。松野チョロ松は一人しかいない……！」
叫んだはずなのに声は木霊することなく、闇へと飲み込まれていく。
『そうとも限らないよ。だって、俺も松野チョロ松なんだから。』
もう一人の僕が、耳元で囁く。
気持ち悪い。
そう感じた。何故かは分からないけど。
嫌な感じがして、後ずさりをする。
『君も心では分かってるはずだよ。
っていうか、分かってなきゃおかしいよねぇ？君の中には俺がいるんだから。』
「なんの話…？」
『ここまで言ってもわからないの？本当、鈍感だよね。
君の中には人格が沢山あるんだ。
例えば、俺みたいに弱い松野チョロ松。みたいなね。
それで、俺が言ってた、君が心の中で分かってること。だけど…』
無駄に溜めるのはやめてくれよ。
喉をゴクリと鳴らす。
『……皆に迷惑だけかけて、死んで。こんな僕、消えたほうがいいんだよ。』
「ｯ …！」
『存在ごと消してしまえば、皆が幸せになれるって。そう思ってるんだろう？』
弱い僕が、そう言う。
図星を付かれて僕が何も言えないのをいい事に、そいつは話を進めた。
『なら、消しちゃおうよ。
君と俺の存在を。全て、ね。』
クスリと不気味に笑うその悪魔の言葉は、弱っている僕の心を染めるには十分な物だった。
あぁ、そうか。
消えちゃえばいいんだよね。
松野チョロ松 を消してしまえば。
僕が皆のことを忘れられて、皆も僕のことを忘れられる。
幸せになれる。
でも、本当に。それでいいのだろうか…。
『…まぁ、ゆっくり考えなよ。時間はまだ沢山ある。それまで、ここで。ゆっくりと僕とでも話していよう。』
その悪魔はそう言うと、僕の目もとを優しく撫でた。
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紫乃ｰあお。ｰ(プロフ) - 腐ったさん» 閲覧ありがとうございます。お褒めいただき光栄です、！はい、がんばります！ (2016年12月7日 19時) (
レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
腐った - 速度松....やっぱいい！シリアスでも、こういうシリアスなら全然好き！これからも、更新頑張ってください！ (2016年12月6日 18時) (レス) id: de0e05823d (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ｰあお。ｰ(プロフ) - トゥメイトゥーさん» おぉ！分かって下さる方が……！！wwやっぱ速度は夫婦ですよね！！ (2016年10月13日 23時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
トゥメイトゥー - 速度松は夫婦に強く同感です…！w (2016年10月13日 22時) (レス) id: 95fb6f08a4 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ｰあお。ｰ(プロフ) - ゆきさん» 閲覧有り難うございます！これから頑張って投稿させていただきますね！ (2016年10月6日 20時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫乃ｰあお。ｰ | 作者ホームページ：http://UKi
作成日時：2016年8月25日 20時
