１３* 弱い僕 ページ15
「……ん、あ、あれ……。」
目を覚ます。といっても寝ていたわけではなく。
僕は真っ暗な空間にポツリと一人で立っていた。
手を伸ばすと指先は闇に飲み込まれ、確認することが出来ない。
「……っあぁ、そっか。」
僕は死んだんだ、きっと。
大好きな皆を悲しませて死んでいった。
なんて愚かで惨めな人間なんだろう。
こんな自分、大っ嫌い。
「……会いたいなぁ。」
なんて、自分から死んでおいて何を言っているんだ、僕は。
手をおろして溜め息を付く。
いつの日か、トド松に溜め息のつきすぎで怒られたなぁ、なんて考えながら。
皆に、会いたい。
こんなに後悔するなら死ぬんじゃなかった。
……なんて、遅すぎるかな。
鼻先がじーんと痛む。
目尻が熱くなる。
頬を伝うのは暖かく、透明な液体。
「……もう、嫌だ。」
鼻をすすりながらそう呟く。
ふと、後ろから声がした。
________『本当、莫迦だね』
「っ！？」
反射的に声のした後ろを振り向く。
そこにいたのは、
小さい目
下がり眉
への字口
整った髪
……僕、松野チョロ松だった。
「……はっ、今度は何？自分のクローン？笑わせないでよ……。」
目の前にいるもう一人の僕は口を開く。
『そう。俺は君。弱い君だよ。』
「……弱い僕？」
『うん。』
もう一人の僕は不気味な笑を零す。
『現実から目を背けて、皆を頼りにしてる。よわぁい、松野チョロ松。』
は……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「おそ松さん」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫乃ｰあお。ｰ(プロフ) - 腐ったさん» 閲覧ありがとうございます。お褒めいただき光栄です、！はい、がんばります！ (2016年12月7日 19時) (
レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
腐った - 速度松....やっぱいい！シリアスでも、こういうシリアスなら全然好き！これからも、更新頑張ってください！ (2016年12月6日 18時) (レス) id: de0e05823d (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ｰあお。ｰ(プロフ) - トゥメイトゥーさん» おぉ！分かって下さる方が……！！wwやっぱ速度は夫婦ですよね！！ (2016年10月13日 23時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
トゥメイトゥー - 速度松は夫婦に強く同感です…！w (2016年10月13日 22時) (レス) id: 95fb6f08a4 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ｰあお。ｰ(プロフ) - ゆきさん» 閲覧有り難うございます！これから頑張って投稿させていただきますね！ (2016年10月6日 20時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫乃ｰあお。ｰ | 作者ホームページ：http://UKi
作成日時：2016年8月25日 20時
