検索窓
今日:9 hit、昨日:15 hit、合計:7,373 hit

10* 痛くない ページ12

sideおそ松


……これは、なんなんだろうか。

全身びっしょりと濡れた俺とチョロ松。
チョロ松は倒れたまま、何も喋らない、目を瞑っている。

「っおい、チョロ松、チョロ松!……なんでお前寝てんだよ、起きろよ。なぁ、チョロ松っ」

チョロ松の頬を叩く。
冷たい、冷たい。真っ白で水に濡れた頬。
どうして、お前はこんなことを。俺のせい?俺が、お前を助けてやれなかったから?でも俺は、お前のために、目を……。
何もかも、チョロ松の為に。チョロ松の為になんでもしてきたのに。

俺の声を聞いて皆がこちらへと走ってくる。
俺とチョロ松を見るなり顔を青くして砂の上で寝ているチョロ松を囲むようにして座っていた。

そんな中、俺はチョロ松の上に乗って服を着ていた為、胸ぐらをつかんで体を持ち上げる。
軽い。軽すぎて吐き気がしてくる。

「……おい、兄ちゃん置いてくなんて許さねえぞ!!なぁ、チョロ松……おい、おいって!!!」

チョロ松の体を大きく揺さぶりながらそう言ってるとカラ松に体を離され、押さえ込まれる。

「はな、せよ!カラ松、離せって!!」

「待て。落ち着け、おそ松」

カラ松は辛そうに俺の体を抑えた。

待つって、何を。無理に決まってる

一松は少し泣きながら誰かに電話をしている。救急車だろうか。
十四松はトド松を抱き締めていて、その腕の中でトド松は静かに泣いていた。

俺はただひたすら愛おしいあいつの名前を呼びながら、涙を流していた。
赤黒い涙。痛い。痛いけど、そんな痛みに気付かないぐらい、叫んでいて。

「チョロ松っ!チョロ松ぅ……!」

俺の声が、海の底まで届きそうな程、大きく響いた。


.

11* 馬鹿→←9* 最期?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 速度松
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫乃ーあお。ー(プロフ) - 腐ったさん» 閲覧ありがとうございます。お褒めいただき光栄です、!はい、がんばります! (2016年12月7日 19時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
腐った - 速度松....やっぱいい!シリアスでも、こういうシリアスなら全然好き!これからも、更新頑張ってください! (2016年12月6日 18時) (レス) id: de0e05823d (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ーあお。ー(プロフ) - トゥメイトゥーさん» おぉ!分かって下さる方が……!!wwやっぱ速度は夫婦ですよね!! (2016年10月13日 23時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)
トゥメイトゥー - 速度松は夫婦に強く同感です…!w (2016年10月13日 22時) (レス) id: 95fb6f08a4 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃ーあお。ー(プロフ) - ゆきさん» 閲覧有り難うございます!これから頑張って投稿させていただきますね! (2016年10月6日 20時) (レス) id: c28cecb0f6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫乃ーあお。ー | 作者ホームページ:http://UKi  
作成日時:2016年8月25日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。