【ＳＥＲＶＡＭＰ】巻き込まれ少年と憂鬱な狐【男主】

第２９話 ページ33

｢はじめまして少年｣


僕を一瞥すると真昼に向き直って会話を始めた。昔と変わらずアベルという女の子の人形を大事そうに抱え会話をしている。
怪しさ満点で真昼も警戒していた。


それぞれ真祖には過去や未来に償う大罪を司っている。それは少なからず主人にも影響を及ぼす。

...あくまでも仮説だが、その例と言っていいのが御国さんだ。確定はしていないが彼に嫉妬の感情に似たようなものを感じていた。

御国さんの過去など知らないが、恐らく当時は何も知らなかった僕に情報を提供したのも自分と似た心境だったからだろう。


『真昼、早く傷の手当てを』
｢俺は後でいい。御園を先に...｣


御国さんは謎に包まれた人物だ。それ故に教えてくれた情報は確実とは言えない。だから真昼達にも出来るだけ近づけさせたくない。

僕は真昼を家に送ってから御国さんと話をする事にした。

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