【銀魂】真選組で検視官をする女

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［Aside］


私は、生まれて2ヶ月くらいの頃。両親に捨てられた。養護施設の前に。ダンボールに入れられて。
私を特定するようなものは何もなかったけれど、名前だけはメモに書かれていたらしい。
そんな捨て方をした両親を、私は許す気なんてしなかった。実の親だとも思いたくなかった。
小さい頃から大人のそんなドス黒さを知ったからか、私はあまり笑わなかった子供らしくて、施設の子や大人から無感情の子、ロボットなんて言われていた。


けれど、6歳の夏。
突然私の前に、ある男の人が現れた。その人は、ずっと陽気に笑っていた。
それが、父だった。
父は、私に許してくれとも、一緒に暮らそうとも言ってこなかったけど、そもそもそんなつもりは無かったから気にも止めていなかった。
毎日毎日、今まで一人だった私に、付きまとうように一緒に遊ぼうとしてくるその人に、私は真剣には向き合わなかった。むしろ、突き放して突き放して。消えてほしいくらいだった。

でもそれもある日。また父は突然来なくなった。
また、捨てられたんだ。同じことをされたんだ。そうわかったとき、大人が皆信じられなくなって。
私はまた自分を塞ぎ込むようになった。
それが9歳のとき。

そのまま月日は流れ、私の人生が変わる出来事が起きたのは12歳のとき、3年前に会った松平さんから警察庁に来ないかという誘いを受けたとき。
その日から私は、検視官として働くために本を読んだり、先輩に聞いたり。楽しかった。生まれて初めて、もっと生きて、いろいろなことを知りたいだなんて考えた。

ただ一つ。
働き初めて数年した頃。
何故か父に関することの書かれた書類を見つけた。
そこには、父が殺された事件について事細かに書かれていた。
父は、会社の跡取りで倒産しそうになっていたときに母の父、祖父の会社が助けてくれたらしい。それにより父と母は表向きでは普通の結婚だけれど、正しくは政略結婚という形で夫婦になった。
けれど、父はいつも母の尻に敷かれていたらしく、実勢権は父ではなく、母にあったようで。

数年後、二人の間に生まれたのが私。息子を欲していた母は、私を殺してくることを父に命じた。捨てたとあっては自身の名に傷がつくことを避けたかったのだと思う。その結果が父のあの行動になったらしい。

しかし、父が来なくなった年。私を殺していなかったことが露見。父は、祖父の手によって殺された。



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