６１話 ページ14
貴「……っ……それって、どう、いう……//////」
エ「……どういう意味だと思う？」
どういう意味も、何も
じわり、じわりと彼の手から自分の手へと体温が移ってくる。４つの手のひらが解け合っていくように感じられる。抵抗しようにも、全て見透かされたような視線に射貫かれ、最早何も考えられなかった。
そうして、目を逸らすことすらも許されぬ沈黙が訪れる。
彼の深いセピア色の瞳の中に、情けない顔をした私の姿が写りこんでいた。
一瞬とも、はたまた一時間とも思われた時間は、やはり私ではなく、彼の一言で破られたのであった。
エ「……なーんてね。」
貴「………っ///」
息を大きく吐き出した。
呼吸をするのさえ、忘れてしまっていた気がする。本当に、ここだけ時が止められてしまったような、不思議な感覚。
すっかり彼の温度に染まってしまった両の手が、１歩遅れて、ようやく解放された。
慌てて引っ込めて、確かめるように机の下で服の裾を握りしめる。
エ「……いや、ここから一番近いの私の部屋だし、そうじゃなくても大体はここにいるしね。とどのつまり、私に頼むのが一番効率的なのさ。」
そう言って、また彼は笑った。彼の最初と同じはずの笑い声が、不思議なことに今度は戸惑いではなく安心感を私に与えた。
貴「………なる、ほど。」
短く、そうとだけ返すと、彼は一つ咳払いを挟んでから言った。
エ「……まぁ、何にせよ、だ。私自身もっとAちゃんと話してみたいしね。気軽に呼んでもらって構わないよ。」
ニコりと人のいい笑みを浮かべた彼対し、苛立ちも、闘争心も起こらなかった。ただこれ以上そこになんてとてもいられなくて、また、彼の雰囲気に呑み込まれてしまいそうで、適当に理由をつけてその場を後にした。
重いドアを開けて、ふらつくような足取りで外に出る。
室温はさして変わらないはずなのに、まだ手に残る自分以外の体温と、熱くなった頬では、人気のない廊下がやけに涼しく、心地よく感じられた。
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白(プロフ) - Aさん» ありがとうございますー！頑張ります……！ぺ神さんですね、なるほど了解です！次に書くメンバーはもう決まっているので少し待たせてしまうかもしれませんが、それでもよろしければ楽しみにお待ちください！ (2017年5月7日 23時) (
レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 更新お疲れ様です。毎度楽しく読まさせていただいてます。これからも無理せず頑張ってください！※お忙しいかもしれませんが、良ければでいいので、ぺ神さんをお願いしてもよろしいてしょうか？ (2017年5月7日 19時) (レス) id: 4282ae076a (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ぶらっきーさん» ありがとうございます……！そう言っていただけて嬉しいです！今後も亀さんペースですが、更新楽しみにしていてください！ (2017年5月7日 14時) (レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 橙さん» ありがとうございます…！応援に応えられるよう、自分のペースで頑張っていきたいと思います……！ (2017年5月7日 14時) (レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
ぶらっきー(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！とてもすきな作品の一つです！これからも無理せず更新頑張ってください(*´∀`*) (2017年4月26日 8時) (レス) id: 2c4c656bf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2017年4月23日 22時
