６０話 ページ13
貴「え……っと、そうですね……」
何でもいいといわれると、かえって何を話していいのか悩んでしまう。すると、それを察してか、私が何か言うよりも早く
エ「……Aちゃんは、その本好きなの？」
という質問がとんできた。
その本、というのはいわずもがな、今私の手元にある先程取ってもらった本のこと。
貴「……はい、好きです。この本の作者さんの作品が好きで、大体は読破してるはず、です。」
そう言って、表紙に白の糸で刺繍されたその名前を指でそっとなぞった。
エ「へぇ……そうなんだ。じゃあ、ここにあるその作者さんの他の本も、読んでみるつもりかな？」
貴「はい、そのつもりです。」
と素直に肯定れば
エ「……そっか。じゃあまたここに来る時は私を呼んでほしいな。」
貴「え？」
思いもよらぬ提案が返ってきて戸惑った。どうも彼の言葉は予想出来ず、私を翻弄する。
エ「作者の名前順で並んでるからさ、ここ。その作者さんの本は一番上の段なんだよ。Aちゃん届かないでしょ？」
少し馬鹿にされたような気がしてムッとした。いや、届かない、確かに届かないけれど。
貴「う……っ、い、いや、脚立とかあれば大丈夫ですから、ご心配なく……！」
エ「……あー、脚立ね……たしかにあるにはあるけど、あんまりオススメはしないよ。落ちたら危ないし、やっぱり頼んだ方が早いでしょ。」
なんとなく、言いくるめられるのが悔しくて、更にムキになって彼の意表をつこうと試みる。
貴「……でもそれなら、エーミールさんじゃないと駄目、とは限らないでしょう？わざわざあなたの部屋に呼びに行くよりは、その時々で近くにいる誰かに頼んだ方が早いですし。やっぱりあなた１人に限定して頼んでしまうのは申し訳ないです。」
我ながら、これなら反論しようがないだろうと確信した。さて、今度はこちらが笑う番かと彼の返答を待った。
エ「……うーん、それでも駄目。」
貴「っ、なん……っ！？///」
何故か、と言い切るよりも早く、突如として私の目前に重ねて置いていた両の手が、エーミールさんの両手に包み込まれるようにとられた。彼の手は、私の手よりも大きく、温かかった。
突然の行為に頭の中が真っ白になる。そして更にそこに
エ「……俺が嫌だから。」
大きく私の予想範囲から逸れた言葉、否、口説き文句で追い討ちなどをかけられてしまえば、私はこの人に反撃なんて出来やしないと遅すぎる結論に至るのだった。
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白(プロフ) - Aさん» ありがとうございますー！頑張ります……！ぺ神さんですね、なるほど了解です！次に書くメンバーはもう決まっているので少し待たせてしまうかもしれませんが、それでもよろしければ楽しみにお待ちください！ (2017年5月7日 23時) (
レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 更新お疲れ様です。毎度楽しく読まさせていただいてます。これからも無理せず頑張ってください！※お忙しいかもしれませんが、良ければでいいので、ぺ神さんをお願いしてもよろしいてしょうか？ (2017年5月7日 19時) (レス) id: 4282ae076a (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ぶらっきーさん» ありがとうございます……！そう言っていただけて嬉しいです！今後も亀さんペースですが、更新楽しみにしていてください！ (2017年5月7日 14時) (レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 橙さん» ありがとうございます…！応援に応えられるよう、自分のペースで頑張っていきたいと思います……！ (2017年5月7日 14時) (レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
ぶらっきー(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！とてもすきな作品の一つです！これからも無理せず更新頑張ってください(*´∀`*) (2017年4月26日 8時) (レス) id: 2c4c656bf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2017年4月23日 22時
