５８話 ページ11
貴「……よし、終わった。」
トン、と出来上がった書類の束を机上で揃える。
壁にかけられた時計を見れば、その短針はまだ２と、余裕のある時間を指し示していた。
こちらに来て早３日。仕事は朝方に部下が届けてくれて、その時に終わったものを渡すというサイクルにも慣れてきたし、建物内の構造も大体は覚えてきた。こちらでの生活もリズムを掴めてきた、と言ったところだろうか。
書類に不備がないかもう１度ざっと目を通した後、それを机の角に置いて、立ち上がった。
せっかく時間が出来たのだ。少し建物の中を歩いてみるのもいいかもしれない。
部屋を出たと同時に、ふと、行きたい場所があったことを思い出した。
早速記憶を頼りに、目的地へと歩き出す。珍しく、廊下では誰ともすれ違わなかった。
貴「……着いた。」
ガチャ、とやはり少し大きくて重たい扉を開けると、その先にはたくさんの本棚と机、椅子のある 広々とした空間が広がっていた。
貴「わ……」
図書館さながらの本の多さに、思わず感嘆の声がもれた。
失礼します、と一応一言言ってから中に入る。
まずはどんな本があるのか全体を見てみよう、と本棚を物色しつつ歩き回る。
童話、図鑑、小説、様々な意見の書かれた著書から、歴史的史料、古いものから新しいものまで幅広いジャンルの本があった。
こんなに多いからか、中には私の読んだことのあるものもあった。
ふと、背の高い本棚の一番上の段に、以前読んだ本の続編らしき1冊を発見した。
ぜひとも読みたい、と手を伸ばしてみるが、届かない。
少し背伸びをしてみる。悲しいことにやはり届かない。
貴「……う……」
一旦諦めて、脚立か何かを探しに行こうとしたその時
エ「これ？」
貴「！」
突然声がして、背後から、ぬっ、と腕が伸びて私のお目当てであった本を取ってくれた。
驚いて振り返れば、予想以上に近い場所に優しく微笑んでこちらを見下ろすエーミールさんがいた。
貴「っ！？！？///」
エ「？あれ、違った？」
何も言えずに固まっていると、彼は不思議そうに首をかしげた。
貴「！あ……い、いえ、それです！すいません、ありがとうございます……！」
慌てて彼の手から本を受け取り、ペコりと頭を下げる。驚きのあまり心臓がバクバクいってるのが聞こえてきた。
いや、これは仕方ない。気配もなくあんな近距離にいるなんて、大変心臓によろしくない。
と、そんな私の様子を見て彼は笑った。
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白(プロフ) - Aさん» ありがとうございますー！頑張ります……！ぺ神さんですね、なるほど了解です！次に書くメンバーはもう決まっているので少し待たせてしまうかもしれませんが、それでもよろしければ楽しみにお待ちください！ (2017年5月7日 23時) (
レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 更新お疲れ様です。毎度楽しく読まさせていただいてます。これからも無理せず頑張ってください！※お忙しいかもしれませんが、良ければでいいので、ぺ神さんをお願いしてもよろしいてしょうか？ (2017年5月7日 19時) (レス) id: 4282ae076a (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ぶらっきーさん» ありがとうございます……！そう言っていただけて嬉しいです！今後も亀さんペースですが、更新楽しみにしていてください！ (2017年5月7日 14時) (レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 橙さん» ありがとうございます…！応援に応えられるよう、自分のペースで頑張っていきたいと思います……！ (2017年5月7日 14時) (レス) id: c55b05b230 (このIDを非表示/違反報告)
ぶらっきー(プロフ) - 続編おめでとうございます〜！とてもすきな作品の一つです！これからも無理せず更新頑張ってください(*´∀`*) (2017年4月26日 8時) (レス) id: 2c4c656bf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2017年4月23日 22時
