情報屋。-伍-【銀魂】

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【Aside】







鳳仙｢そうか、貴様が童の雇った浪人

わしの吉原(まち)を好き勝手やってくれたのはお主か

やってくれたでは無いか｣







日輪と晴太を一瞥した後、

銀時を睨み付けるように視線を向ける鳳仙


途中、ちらりと視線が合った








銀時｢好き勝手？冗談よせよ

俺ァ女の1人も買っちゃいねーよ｣






鳳仙｢……そうか、ならばこれから酒宴を用意してやる

血の宴をな｣






銀時｢過分な心遣いありがたいが

そいつは遠慮するぜ



ジジイのＶ字の生え際見ながら

酒飲んでも何にも旨かねェ



こんな所で酒飲んだって何にも旨かねェ




どんだけ美女を集めようが

どんだけ美酒を用意しようが


俺ァてめーの吉原(くに)で酒なんざ一滴たりとも飲まねェ




鎖で繋がれた女から酒なんて注がれても

何にも旨かねーんだよ



泣きながら酒なんて注がれても

何にも旨かねーんだよ｣







鳳仙の目を射抜きながら真っ直ぐと言葉を紡ぐ銀時








銀時｢ババアだらけの薄汚ねェスナックでも

笑って酌してくれんなら俺ァそれがいい



悪辣なキャバ嬢がはびこるぼったくりバーでも

皆が笑って酒飲めるなら俺ァそれがいい



美女も美酒も屋根さえねェ野っ原でも

月見て安っすい酒飲めるなら俺ァそれがいい




女の涙は酒の肴にゃ辛過ぎらァ｣








すぅと刀が引き抜かれた

それは何時もの木刀ではなく、真剣



銀時の言葉に耳を傾けていた鳳仙は口元を歪め、

愉快そうに口を開く








鳳仙｢鎖を断ちに来たのか


この夜王の鎖から日輪を……

吉原の女達を解き放とうというのか｣






銀時｢そんな大層なモンじゃねェ

俺ァただ旨い酒が飲みてーだけだ


天下の花魁様に

ご立派な笑顔付きで酌してもらいたくてなァ｣













神威｢こりゃあ面白い

たかだか酒一杯の為に夜王に喧嘩を売るとは


地球にもなかなか面白い奴がいるんだね

ねェ鳳仙の旦那｣







一連の流れを黙って見ていたかと思えば、

にこにこと笑い鳳仙の肩に手を置く神威くん




その瞬間

2人の横にあった石像が吹き飛んだ




その石像は根元から折れこちらに飛んでくる








銀時｢！？｣






『……』








夜王


その名を轟かせていたのは少し前になり、

戦闘を視る事も無かった



まさかこれ程とは



この先の事を想像し刀の柄を固く握り締めた

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