第１０話 ページ11
部屋へ戻るように、と促されて過ごす時間。特にすることもなく眺める中庭から、黒い影が二つ窓へ近づいてきた。一つは空から、一つは樹の枝を飛び移りダイブするつもりのようだ。
「え、なに？」
咄嗟に脇へ避けると、これ幸いと飛び込んだ影は、鳥と猫。厳密には、烏と黒猫だった。
【今、レン様ノ気配シナイ】
【て、訳だから。邪魔させてもらうな?】
「……あ、うん」
退屈していたのは事実なので了承してみる。
「え、と。君たちはここで暮らしてるの？」
【レン様、俺達コロサナイ。アンシン】
【弱くても強くても、命は命なんだとさ】
「他では、そんなに簡単に殺されるの？」
と、彼らは顔を見合わせる仕草をした。
【お前、何も知らないのか？危ねえなあ】
【金キラ、一番コワイ】
「金キラ？あ、目の色のこと?」
【そ。さっき、庭に来てた奴の一族が最悪】
カイトのことだろうか。
「で、でも理由もないのにそんなこと」
【母親の取り巻きが、ひでえんだよなあ】
【暇ダカラ、コロス。血ノ色ハエルカラ】
烏は、しおしおと項垂れる。
「ごめんね、怖いこと思い出させちゃったね」
【お前、魔族だろ？変わったこと言うよな】
【レン様ト、オナジ？】
【甘え魔王様んとこには似たのが来るのか？】
呆れた様子の猫に、玄樹は言う。
「ふふ、そうかもね。お友達になってくれる?」
【オトモダチ!オトモダチ!】
【あのさぁ。お前の目、血溜まりだよな？】
「うん、そうみたい」
【他人事かよ……まぁ、それなりに高位だろ？】
【エライ、ツヨイ魔族】
【けど、俺ら魔界じゃ下の下に扱われてるし】
「え、と。立場が弱いってことかな」
【殺すのも躊躇ねえくらいにな。そんなのと】
【オトモダチ？ホント？】
「うん。僕、今までいた所でも外に出ちゃダメで話し相手いなかったから。嬉しいの」
再び、彼らは顔を見合わせる。
【何の得にもなんねえぞ？分かってんのか？】
「会いに来てくれたのが嬉しいんだよ」
【レン様ノオトモダチト、オトモダチ!】
【しょうがねえなあ】
猫は、人型がするように口角をあげて。烏は羽根を広げて了承した様子だった……けれど。
【……コワイノ、キタ？】
【あっちの手下が来たみたいだな】
彼らが感じ取ったのは玉座前に現れた、柘榴の力を秘めたゲートのことだった。
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黒那智(プロフ) - blackpinkさん» こんにちは、いつもコメントありがとうございます♪こちらのページに載せられる話数があと少しなので、最終話＋後日ネタか裏設定、後書きで締めようと思っています。最後までお楽しみ頂けるように頑張ります(^-^) (2021年3月16日 12時) (
レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
blackpink(プロフ) - 更新ありがとうございます！次回最終回さみしい&楽しみに待たせていただきます。 (2021年3月16日 1時) (レス) id: 2e69ab6484 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - blackpinkさん» こんばんは★コメントありがとうございます♪いよいよ佳境でございます。伏線を回収しきれるか、頑張れ自分(笑)状態です。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
blackpink(プロフ) - 更新ありがとうございます。引き込まれます！ (2021年2月1日 22時) (レス) id: 2e69ab6484 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - blackpinkさん» はじめまして、こんばんは★コメントありがとうございます。訪問＆コメント大歓迎です♪励みになります。 (2021年1月18日 0時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2019年5月1日 12時
