81 ビーツの黙示録――5 ページ34
三人が話している最中、ぐるぐると頭の中であの二人の言葉が駆け巡る。私の言ったことは全て事実のはず。彼らに会ったのは本当に今日が初めてだ。あんな特徴的な髪型の兄弟、一度会ったら忘れられないに決まっている。それなのに二人の私を知ったような口振り。
もし、あの時ネズが私を止めていなければ、一体どうなっていたのだろう。もしかして、あの人たちについて行ってしまっていたのかな。でもそれは彼らを止めるネズたちを裏切るような行為だ。そんなことするはずがない。
たとえそこに確かな繋がりがあったとしても、私は偽りの深い繋がりを信じていたい。
「ネリネ、おまえはスパイクタウンに帰りなさい」
「ど、どうして」
「アイツらの狙いにネリネがあるとみておいて損はないでしょう。おれはおまえにこれ以上危険な目に遭ってほしくない」
切実な願いだった。彼の気持ちを慮ればネズに従うのが一番良いのだろう。
「ネズの気持ちもよく分かるよ。それでも私はあの人たちが知る『私』について知りたい! 足手まといにはならない! だって私にはポケモンがいるから」
凄腕トレーナーの皆には及ばないけれど、私だってぼーっとして今まで過ごした訳ではない。一体何回のバトルをこの目で見てきたと思っているんだ。
ネズは首のアクセサリーに手を当て目を閉じて息を吐く。
「いつの間に心まで強くなったんですかね。きみの成長というものは、いつだって早いんだから」
眩しすぎるほどに、と声を落とした。
二人には聞こえていなかったのか、ずっと静かに聞いていたホップとユウリの視線がネズに一点集中する。
「仕方ありませんね。おれか本当に危険だと思ったらどう反対してもスパイクタウンに送り返しますから。それは覚悟しておいて下さい」
ここまで来たら腹を括るしかない。もう守られるだけの存在ではないんだと証明してみせる。そして自分の正体について突き止めてやると心に刻み、私たちはターフスタジアムを去った。
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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼&銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です! 1210-0027-9994-1592です!!このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます!! (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊万里 | 作成日時:2020年3月6日 9時