猿原真一と誕生日��* ページ42
「教授ってさ、めっちゃ人気者なんだよね。それに花名の人の大抵が教授にお世話になってるから、地域ぐるみで恩返しみたいな感じでプレゼントを渡すらしくて、私はそっちに参加するって言っちゃったの」
「え？ 別にいいじゃん。そっち終わったらなまえ ちゃん家で誕生日会やるのはダメなの？」
「ダメじゃないけど、なんというか、規模が違うじゃん」
「私はそういう思い込みの方が良くないと思うなあ」
め、めんどくせー！ の一言を何とか押し込めて目の前の友人にはるかは向き合う。せっかく私を頼ってくれてるんだからちゃんと伝えようと意気込んだ。
「なんかなまえ ちゃんらしくない。いつも猿原さんとズバズバ物怖じせず話してるのに、ここで萎縮するのも変じゃない？」
「そう、かな」
「私だったら誘うよ。せっかく誕生日が祝えるんだから絶対やった方がいい。大切な人が目の前にいるんだったら尚更」
「はるかちゃんは、どうして」
なまえ ははるかの顔を見て再び言葉を詰まらせた。彼女の表情はなまえ しか知らない。だが、はるかには何かあるのだとなまえ は静かに察した。
「それに猿原さんだってなまえ ちゃんに祝ってもらいたいからそう声かけたんじゃない？ あの人はっきり言わないところあるじゃん」
「た、確かにそれはありえるかも……」
「ね、だからやるだけやってみなよ。思い込んだら一直線だからね」
「……うん。ありがとうはるかちゃん」
「ああもう！ そんな暗い顔しないでよ！ 私は今に満足してるからいいの！ 私のことは気にしなくていいからなまえ ちゃんはなまえ らしくいなよ。ほらほらーこんな所で油売ってないでさっさと猿原さんところに行くの！」
強引になまえ の背中を押し、どんぶらから追い出すはるか。しどろもどろになるなまえ を気にせず、自身もどんぶらの外に出る。
「猿原さん誘うまで連絡してこないでよね！ 思い込んだら一直線！」
はるかはなまえ が見えなくなるまで見送った。それは友の幸せを願う一人の人間として。あるいは――。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「特撮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊万里(プロフ) - カテゴリーＪ♢桜もち。さん» コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけてとても嬉しいです！大変励みになります！まだ始めたところなので何もございませんが、また見ていただけると嬉しいです！ (2022年8月1日 0時) (
レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーＪ♢桜もち。 - はじめまして！！読ませて頂きました✨凄く面白かったので、また更新楽しみにしてます！更新お疲れ様です、応援してます！！ (2022年7月31日 17時) (レス) @page3 id: 1f8c7328a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊万里 | 作成日時：2022年7月31日 17時
