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「え？なんで？」
「びしょ濡れじゃん。何してんの、ほんとに。」
改めて自分を見やると、思った以上にびぃしょびしょだった。指の先からも水滴が滝のように流れてくる。
これは化粧もぼろぼろだろうな、と苦笑いで彼に向き合った。
「私のこと好きだねえ、なんでわかったの？」
「彼女いるし、俺。
普通に。アニキの誕生日だなって思って、そういえばねーちゃんどうしてんだろって思って。
帰ってきたのに会いに来ないし、久しぶりに会いに行くかって思って。
最初は家かと思ったんだけど、何となくここかなって思って。」
流石だね、と笑おうとしたけれどくしゃみが邪魔をした。風邪引くよ、ほんとに。
真っ黒だった髪を暗い金に染めた幼馴染が、眉を顰めて呟いた。
「ねえ、ナオキ。」
水溜りの波紋を見つめた。幼馴染の真剣な顔を見てられなくなって。
「全部変わってくのに、私だけ変われなかった。」
相槌も待たずに吐いた言葉が雨に溶けていけばいい。そのまま、全部、もうひとりの幼馴染に届けばいい。
「アメリカにいなかったの？良い人。」
「いない。そりゃ何人かいい感じになった人はおったよ。
でも違うんだよね、やっぱり。」
顔とか体格とか、口臭とか、そんなものがいい人は山程いた。
それでも、違うと私が訴える。
声が、仕草が、考えが、思いが、何もかも彼以上はいない。
「ねーちゃんの世界は広いはずなのにね。」
「あんたの兄ちゃんが、それくらいい男ってことでしょ。」
そう返すと、ナオキのほうが辛そうな顔をするものだから、思わず笑ってしまった。
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むむ◎(プロフ) - 椿さん» 椿さんこんにちは！いつもコメントありがとうございます(TT)そのコメントを励みに更新がんばります！！ (2020年1月6日 23時) (
レス) id: 70a6965a98 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - むむ◎さんこんにちは。いつも楽しく読まさせていただいています。クリスマスイブ、将軍ちゃんの気持ちを考えると切なくて泣けてきます（ ; ; ） (2019年12月28日 22時) (レス) id: 54af9b9bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むむ◎ | 作成日時：2019年11月27日 0時
