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広いお部屋 ページ9

「A!いらっしゃい」

「光、久しぶり…今日からお世話になります」

「そんなかしこまらなくていいから!さっ入って入って」

「うん、って玄関広っ!!ちょっとまってどこに靴置いたらいいの!」

動画で見てはいたが思った以上の広さに度肝を抜かれてしまった。

「あ、ここのクローゼットに入れてくれたらいいよ」

言われるままにクローゼットに靴を置いたが、クローゼットもなかなかの広さだ。

中に入ると、足元にもふもふとした動くものが足元に触れるのを感じた、これはまさか…。

「まるお!!うわ〜〜生で見た!すごい、もふもふ!!ねえ触ってもいい?」

「えっいいけど…っていうか俺が猫飼ってるのって言ったっけ?」

まるおがお腹を見せてゴロゴロと喉を鳴らすので夢中でなでていると、光に不思議そうに尋ねられる。

「え、光の動画教えてもらったときからずっと見てるに決まってんじゃん」

光がビードボックスの動画を上げたと意気揚々と教えてくれたときから私はずっと光の動画を見ている。
ビートボックスからやがてゲームや様々な企画、最初は身近に感じられていたけれど、どんどん遠くてキラキラした存在に変わっていった。
だけど、光だって簡単にそんな生活を手に入れたわけじゃないことはわかっている、真面目で優しい光のことだ、ずっと努力をしたんだろう。

「まじか…なんか照れるな…」

「ふふっなんで照れてんの、教えたの自分じゃん」

顔を少し赤らめながら頭をポリポリとかく光を見ると思わず笑みがこぼれた。

「それでここがAの部屋、一応掃除したんだけどちょっとまだ途中で…」

そういって案内された部屋は私が一人暮らしをしていたワンルームと広さがほとんど変わらない…いやそれよりも大きい部屋だった。
確かに部屋の隅の方に畳んで積み上げられているダンボールが見える。

「ううん、忙しいのに片付けてくれたんだよね本当にありがとう、っていうか私が住んでたところより結構広いかも…」

「ここなら内鍵ついてるし、自由に使ってくれていいから…家具とかどうよ、入りそう?」

「うん、私の荷物全部収まっちゃうしスペース余っちゃうかも」

そういって二人で顔を合わせ笑いあうとふと、二人の視線が絡まり少しの沈黙が流れる。

「…」

「…」

「あ、あとは共有スペースとか隣の部屋も案内するから、はいこれ隣の部屋の鍵ね」

遮るように光が鍵を渡してくる、ちょっとドキドキしてしまったもしかしたらまだ顔が赤いかもしれない。

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作品ジャンル:恋愛
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シリカ(プロフ) - きゃんさん» ありがとうございます…!遅筆ですがしっかり完結させたいと思っております…!今後もがんばります! (2019年8月25日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
きゃん(プロフ) - 更新待っていました!お忙しいとは思いますが、頑張ってください!楽しみにしています。 (2019年8月25日 5時) (レス) id: 68aae87022 (このIDを非表示/違反報告)
シリカ(プロフ) - もなさん» そう言っていただけてとっても嬉しいです!これからもがんばります…! (2019年7月9日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
もな - シリカさんの文章 とても読みやすくて面白くて大好きです……!ゆっくりと更新を楽しみにしております (2019年7月9日 2時) (レス) id: 23768f9cf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シリカ | 作成日時:2019年6月21日 15時

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