一緒に生活[HIKAKIN]

お菓子づくり２ ページ33

「ただいま」

「おかえり」

まるおともふこの遊び相手をしていると、光が帰ってきた手にはコーヒー缶の入ったレジ袋が下げられている。
今日も撮影した動画の編集作業をするために夜遅くまで起きているつもりなのだろう。

「この匂い…カレー！？」

「あたり！今日はカレーです」

カレーがうれしいのか光はキッチンに行き、カレーの入った鍋を覗き込む。

「めっちゃうまそうじゃん！腹減ってきたわ」

「えっ！もう？夕食には少し早いよ」

「そうだなー、俺夜も作業する予定だから先に風呂入ってくるわ」

「そうだね、お風呂準備してくるね」

「いやいいよ、カレー作ってくれたんだしゆっくりしといて」

ソファから立ち上がろうとしたが、光にそういわれお言葉に甘えることにした。

その後、光がお風呂から上がり一緒に食事を共にする。

「手作りカレー久しぶりだわ」

「んー、確かにカレーは作りすぎるから処理に困るかも…」

「あんまり自炊もしないな」

「光忙しいもんね」

「俺さ、会議とかマネージャーにサポートしてもらう動画撮影もあるけど編集作業とか基本一人なんだよね」

「うん」

「だからさ、今Aがいてくれて家事してくれて助かってるのもあるけど、こうやって一緒にいてすごい救われてる気がする」

今仕事探してるAにとっては不本意かもしれないけどさ、と付け足して光はカレーを口に運ぶ。
そういわれて様々な考えが頭を駆け巡る、うまく言葉にできないかもしれないけれど口に出してみることにする。

「私さ、仕事でもなんでもだけどやること自体は苦じゃないんだ」

「うん」

「でも、それをやったっていう事実だけでいいから認めて欲しかったんだよね」

仕事をやめたきっかけにしか過ぎなかったかもしれないけれど、自分のやったことを知ってもらうだけでも違ったのかもしれない。

「まあそれは、きっかけにしか過ぎないんだけどね…なんか何言いたいのかわかんなくなっちゃった」

「俺は応援してるからな、兄貴もそう言うと思うし」

「ありがとね」

せっかくの食事なのにちょっとしんみりしてしまった、曖昧に笑みを浮かべて食事を続ける。
最近の求職活動の報告や光の仕事の話をしながらカレーを食べ終える、ここからが本日のメインイベントだ。

お菓子づくり３→←お菓子づくり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す