一緒に撮影 ページ44
「まじか…いや、無理はしなくていいから」
「ん？」
風邪が治って数日後、朝から光が何やらリビングで誰かと電話している。
「他のスタッフは…、あーそうだったわ、いやいい、そこまで動くような撮影じゃないからなんとかするから…はいはい」
そうやって電話を切ると、光がため息をついてソファに座り込む、一体どうしたのだろうか。
「光？どうかしたの」
「いやさ、今日動画の撮影でマネージャーに撮影手伝いをお願いしてたんだけど風邪ひいちゃったみたいでさ」
「あ、そうなんだ」
脳裏にこのあいだのマネージャーさんの姿が蘇る、風邪ならたしかに休んだほうがいいだろう。
「それで、他のスタッフいないか聞いたんだけどみんな夏のイベントに向けて出払ってるみたいでさ」
「あー…忙しい時期だもんね」
「Aって今日なにも予定なかったよな？」
「うん、そうだけど…」
「ごめん！撮影手伝ってくんない？」
「えっ！私が！？」
確かに、いまこの場にいる私が手伝うのが一番手っ取り早いだろう。
だけど、光の幼馴染であり、ヒカキンのファンでもある私にとってはなんだかとてもハードルの高いことのように感じられた。
「基本は固定してるカメラで撮影して俺が作業してる場面とか、まるお達を撮ってくれればいいから」
「うーん、できるか不安だけど私の技術で良ければ…」
そう言うと、光はハンディカメラを持ってソファに座り私に隣に座るよう促す。
言われるがままに隣に座ると、光が簡単に使い方を教えてくれる。
「これ結構高性能だから、ここ押すと録画ねピントとかはしばらくしたら自動的に合わせてくれるし」
「へー、最近のはハイテクなんだね」
動画や写真はもっぱらスマホで済ませていたから、ごちゃごちゃしたボタンが付いているビデオカメラを渡されて気後れしたが問題なさそうだ。
でも、いわれるがまま隣に座ってしまったがなんだか距離が近いような気がする。
というか、膝と膝がぶつかりそうなぐらい近い。
「光なんか近くない…？」
「え、…あ！ごめん説明してたらついつい」
距離が近づいていることに気づいた光が飛び上がらんばかりの勢いで離れる。
「いやちょっと気になっただけだから大丈夫だよ、撮影うまくできないかもしれないけど頑張るね」
「おう、じゃあとりあえずは固定カメラで撮るからまるお達とか撮影しといて」
「…わかった！」
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シリカ(プロフ) - きゃんさん» ありがとうございます…！遅筆ですがしっかり完結させたいと思っております…！今後もがんばります！ (2019年8月25日 20時) (
レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
きゃん(プロフ) - 更新待っていました！お忙しいとは思いますが、頑張ってください！楽しみにしています。 (2019年8月25日 5時) (レス) id: 68aae87022 (このIDを非表示/違反報告)
シリカ(プロフ) - もなさん» そう言っていただけてとっても嬉しいです！これからもがんばります…！ (2019年7月9日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
もな - シリカさんの文章 とても読みやすくて面白くて大好きです……！ゆっくりと更新を楽しみにしております (2019年7月9日 2時) (レス) id: 23768f9cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シリカ | 作成日時：2019年6月21日 15時
