八 ページ9
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その日の昼過ぎには、師範のお家に着いた。
六畳という そこそこな大きさの部屋を頂いて、新居に胸を躍らせずには いられなかった。
まず、私は持ってきた荷物の整理を始め、夕方にはだいたい それも片付いた。
その後は、師範に家の中や庭を案内してもらって、間取りを頭に叩き込む。
今夜は任務があるそうで、師範は「最後の休息だと思って休めェ」と言い残して出ていかれた。
……最後?
えっ、そんなこと言われても……どう休めばいいの?
と、しばし混乱したけど、結局 普通に寝ることにした。
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そして翌朝。早朝。
緊張しすぎて まともに眠れず、
嗚呼……、最後の休息だったのに……。
……ま、まあでもっ、一応 寝れたもんねっ!
良しとしよう!
そう開き直り、師範の屋敷で働いている隠たちが作ってくれたご飯を食べて、外に出た。
「まずは基礎体力向上だァ。くたばるまで走れェ」
ということで、屋敷の周りを走ることになった。
……いや。
いや、でもちょっと待って。
「く、くたば……?」
困惑して師範を見上げると、「聞こえただろォ。さっさと走れ」とギロリと睨まれた。……こっわ。
「はっ、はいぃ!」
逃げるように、慌てて駆け出す。
――こうして、鍛練が始まった。
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黒渦クレナ(プロフ) - 春駒さん» あああありがとうございます!(動揺) 嬉しすぎて、文字打つ手が震えます…! 更新頑張りますっ! (2020年3月20日 15時) (レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
春駒(プロフ) - か、神作の予感…!!続き楽しみにしてます!! (2020年3月20日 15時) (レス) id: db12751af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒渦クレナ | 作成日時:2020年3月19日 21時