五 ページ6
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「……合格だァ」
青年がくれた麦茶をゴクゴク飲んでいたとき、彼はそう言った。
「えっ？ ……い、いいんですか？ 一発も当たらな……いや、掠りもしなかったのに？」
「言ったろ。お前ごときの剣なんざ、目ェ瞑ってても当たんねェ って」
「うっ……」
いや 本当のことだけど、もう少し濁して言ってくれても……。
ん？ ちょっと待って。
『目ェ瞑ってても』は言われてないぞ！？
そもそも、さっきの模擬戦で 私のどこが良かったのだろう？
「がむしゃらに突っ込むだけじゃねえとこ。躊躇わずに跳んだ度胸。
……お前が本気だってわかったからなァ」
まるで私の心を読んだかのように、青年がそう言った。
「……ほ、本当に良いんですね？」
「嫌なら帰れェ」
「――やったぁ！ これで稽古が受けられるー！」
本気で帰らされそうだったので、慌てて歓声をあげる。
「これからよろしくお願いします！ えっと……」
「不死川実弥だァ。これからは師範と呼べ」
「師範！ 私はAAです。好きなように呼んでください！」
よーし、明日から……って。
「私、明日から どうすればいいですか？」
首を傾げながら問うた。
「お前、家は？」
「……ありますけど、これから売り払います。私、おじいちゃんの家に預かられることになってて」
あっ でも、と付け加える。
「おじいちゃん家 遠いので、師範の所に通うのは難しい……ですね」
そうだった。
おじいちゃんたちを説得しないまま、師範の弟子になっちゃってた。
これは絶対 怒られる……。
「あの……師範さえ よかったら、で良いんですけど、
師範の家に居候しちゃっていいですか？」
「……あァ」
「やった！ じゃあ、おじいちゃんたち説得してきます！」
「は？ ……まさか何も言わずに出てきたのか？」
「あ、はい。どうしよう……説得できる気がしない」
祖父母は、自分の目で見てないものは 信じない……みたいな、頑固者だから。
たとえ、正直に『この人は鬼殺隊の人だよ』って言っても『何言ってるの。
「どうするつもりだァ？」
その問に、うーん……と唸っていたら、突如 パッと閃いて、私は口を開いた。
「――師範、ひと芝居 打ちましょう」
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黒渦クレナ(プロフ) - 春駒さん» あああありがとうございます！(動揺) 嬉しすぎて、文字打つ手が震えます…！ 更新頑張りますっ！ (2020年3月20日 15時) (
レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
春駒(プロフ) - か、神作の予感…！！続き楽しみにしてます！！ (2020年3月20日 15時) (レス) id: db12751af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒渦クレナ | 作成日時：2020年3月19日 21時
