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あの夜、鬼に襲われたとき。
私は、恐怖やら何やらで混乱していて、助けてくれたあの人に、名前を聞くことは愚か、お礼を言うことすらできなかった。
それから、親戚の人たちの助けを借りて 父母の葬儀を終えた私は、母方の祖父母に引き取られる流れになった。
だけど。
「ごめん、おじいちゃん、おばあちゃん。
――私、鬼殺隊に入りたいの」
私はそれを断固拒否した。
しかし、祖父母たちも当然、『そんな
とはいえ私も、風の噂で 人喰い鬼が存在し、それと戦う鬼殺隊なるものがある ということを聞いただけである。
……でも。
「じゃあ一体、父さんと母さんは何に殺されたの！？
二人を殺したのは鬼よ！ それに、私を助けてくれたのは鬼殺隊の人だもん！」
私は この目で見たのだ。
鬼も。あの人も。
そういうわけで、私は祖父母と大喧嘩して 家を飛び出した。
どうしよう……。
このままだと、確実におじいちゃん家に連れていかれて、鬼殺隊に入れなくなっちゃう……！
そう思い悩んでいるときだった。
通りかかった茶屋に、一人の青年が座っていた。
おまけに 彼は傷だらけで、制服のようなものの胸元が全開という……なんとも目立つ格好をしていたので、気になって思わず見つめてしまう。
ふいに風が、彼の羽織を巻き上げる。
そのとき見えた�猝猫瓩諒源�。
私は、ハッと息を飲んだ。
「あのっ、すみません、」
思わず声をかけ、青年が何か言う前に話し始める。
「鬼殺隊の方ですよね。私、鬼殺隊に入りたいのですが、どうしたら良いでしょうか？」
「……」
彼としても、私みたいな女子を鬼殺隊に入れるのは、少々 抵抗があるのか……わからないが、何も答えてくれない。
何かを躊躇っているようにも見えた。
だから、私は話し続ける。
「私、家族を鬼に殺されたんです。でも、誰も信じてくれなくて。……それに、私を助けてくれた人にお礼も言えなかった。
だから、その人にも会いたいし、何より私みたいな思いをする人を増やしたくないから、鬼殺隊に入りたいんです。
お願いしますっ、教えてください……！」
すると、青年は口を開いた。
「……あんたが誰に救われたか 知らないけどなァ、鬼を斬るのが俺たちの仕事だ。それに対して礼を言う必要はねェ」
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黒渦クレナ(プロフ) - 春駒さん» あああありがとうございます！(動揺) 嬉しすぎて、文字打つ手が震えます…！ 更新頑張りますっ！ (2020年3月20日 15時) (
レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
春駒(プロフ) - か、神作の予感…！！続き楽しみにしてます！！ (2020年3月20日 15時) (レス) id: db12751af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒渦クレナ | 作成日時：2020年3月19日 21時
