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その後、敬人が確認をして生徒会室へ戻ってきたときにはAはいなくなっていた。
机の上には整理し終えた書類が。
作業を終えて帰ったのだろう。
調べれば、Aは本当に香港から指名を受けていた。
敬人「…お前が何かしたのか」
先程までここにいた幼馴染の顔を思い浮かべる。
……あの言葉に加えて、もしこれがAのしたことだとしたら。
敬人「……俺は、突っ撥ねられたのか。」
お前との道は違えてしまったんだな。
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裏庭の木陰にひょっとこが横たわっている。
帰ろうとしていたが、なんだか草むらに寝転がりたくなって寝た。
木陰の中は風が幾分かひんやりしていて気持ちいい。
芝生も熱に晒されていない分、冷たい。
心地よさを感じながら意識を深くに落とそうとすると、誰かの足音が聞こえてきた。
迷いなくAに向かってくる芝生を踏みしめる音。
気にしないでおくと、その足音はすぐ真横で立ち止まって、そして座り込んだらしい。
無言で隣に座っている人物。
視線が痛い。
誰なのか予想はついていて挨拶をしようと思ったが、なんだか起き上がる気にならない。
「狸寝入りか?寂しかったから拗ねてんの?」
そう声を掛けてきた。
お面してる人間が寝てないことに気づくの怖いなと思いながら顔を向ける。
A「おかえり朔間くん」
海外から帰ってきた零。
数週間ぶりの再会である。
零「顔見たいんだけど。なんだそのひょっとこ。趣味悪」
A「酷い…渉のセンスが否定された…」
仕方なく外すと、零の赤い瞳に無言でじっと見下ろされる。
何も喋らずただただ見つめられる。
困惑するAとしばらく見つめ合って、積もる話をし始めた。
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零「……お前明日から香港行くんだって?俺帰ってきたばっかなんだけど」
隣に座り直したAに怪訝そうに零が聞いた。
帰ってきてすぐに明日の香港はキャンセルだと聞いて驚いた。
Aが呼ばれているというから。
A「…確かに。俺も寂しいよ」
静かにそう言ったA。
零はぽかんとして、そして頭を抱えた。
零「………お前それ素か。急にデレるなよ心臓に悪い」
おお…照れてる、と零を意外そうに見つめる。
目の前の呑気なAを抱きしめたい気持ちを抑えて零は香港についての詳細を聞くことにした。
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む(プロフ) - 大好きです!!!!!!!!!!! (2022年6月2日 18時) (レス) @page41 id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
絆 - いえいえぇぇえええ!!全然大丈夫ですよぉおお!!こちらこそいつもありがとうございます!!新作の幼なじみくんのもあわせてこれからも楽しみにしてます!無理せずお体には気をつけて下さい更新頑張ってください!! (2020年7月17日 23時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
Sの人 - 初めてコメントするんですけど文才凄いっすね…頑張ってください〜 (2020年7月14日 21時) (レス) id: 35c2d7115f (このIDを非表示/違反報告)
おわん(プロフ) - 絆さん» わぁんすみません…(涙) はい!1ヶ月もずっと考えてたのでもう大方…!!そろそろ出したいです!!いつもコメントありがとうございます……(大号泣) (2020年7月7日 19時) (レス) id: 71e615e669 (このIDを非表示/違反報告)
絆 - 新しいのを考えていらしたんですね!!よかったです!!!!何かあったのかと!!!!無理せず更新頑張ってください!新しいのも楽しみに待ってます!!うるさくてすみません! (2020年7月6日 16時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おわん | 作成日時:2020年6月1日 11時