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「うん。ボク達は捕まりたくない、でもパピルスは捕まえたい…それなら勝負するしか無いと思うんだ」
「なるほど…確かに一理あるな!」
フリスクの'勝負'という言葉に何か思うところがあったのか、サンズの雰囲気が少し変わった…気がする。
だが
「でも痛いのは良くないと思うから、楽しい勝負にしようよ!」
このフリスクの言葉で、そんな雰囲気は飛散した。
「楽しい、勝負…!」
一方、言われた側であるパピルスは非常に嬉しそうで…
近所の友達に遊びに誘われた子供のような空気感だった。
「うん。ねぇパピルス、何か良いアイデアは無いかな?ボク達はまだ来たばかりだから思い付かないんだ…」
「ニェッ!それならオレ様達が作ったパズルがあるぞ!この先に色々なパズルを仕掛けてあるのだ!それを全部解けたなら…その時は…人間!今回だけ、貴様を捕まえるのはやめてやろう!」
「決まりだね。パズルを全部解いたらボク達の勝ち、解けなかったらパピルスの勝ち」
「ニェッヘッヘッ!絶対に解かせないから、覚悟するのだ!そうとなれば貴様達が来るまでに調整をしなければ…!ニャハハハハハハハハハ!」
笑いながら走って行ってしまったパピルス。
……マジか…戦わずして場を収めたよ…
思わずフリスクを見れば、控えめな笑顔を向けてきた。可愛い。
「勝手に決めてごめんね、でも…」
『いや、寧ろ良くやった…流石だよ、本当に』
あんな風に収めるなんて、俺では到底思い付かなかった。
戦うしかない。そう思っていた…
だが、フリスクは違った。
戦いは戦いでも、どちらも傷付かない方法を提案し、通した。
これは、途轍もなく凄い事だ。
「上手くいったな」
ひょっこりと会話に加わるサンズ 。
「心配すんなって、悪いようにはしないぜ。オイラに任しとけよ」
『それで任せた結果、冗談を言うだけだったような気がするんだが』
「…さぁて、オイラも手伝いに行かないと!」
『あ、おい!』
サンズはそう言うや否や何処かへ走り去った。
…アイツ逃げやがった!!
「行っちゃったね」
『地味に足速ぇよなアイツ、筋肉無い骨のくせに』
「うん。でも多分Aのが足速いよね…エゲツない位に」
『?なんか言ったか?』
「ううん。さ、ボク達もパピルスの所に行こう」
『あ、ああ…』
俺の手を引いて歩き出すフリスク。
その足運びはしっかりとしていて…
まるで、向かうべき場所を知っているかのような…
……なんてな。気のせいだろ。
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まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時