3 ページ38
とりあえず人里?を探そうと決めたものの、歩けど歩けど…一向に林から抜けられていない俺達。
フリスクに抱えて走ろうか?と聞いたら勢いよく首を振って拒否されたため、こうして仲良く歩いている。
少し後ろで懸命に歩くフリスクの息は白く、頬は赤らんでいた。
ちなみに俺の息は白くなっていない。
というか…呼吸自体しているのかすら分からない。
溜息なら出るし、白くなるんだが…どういう原理なのか未だにサッパリだ。
『大丈夫か?フリスク…やっぱり抱え』
「大丈夫!歩けるよ、ボク!歩くの好きだから!」
『そ、そうか…無理はするなよ?』
「うん、ありがとう」
そろそろ歩くのが辛くなってきただろうと声をかければ、やはり断られた。
……抱えられるのが恥ずかしいのかもしれないな。うん。
俺だって…誰かに抱えられたら、恥ずか死ぬだろうし。
いや、俺の場合は精神的にガチで死ねるがフリスクの場合はちょっと違うか?うーん…
まぁ、きっと年頃の悩みってやつなんだろう。
たっちさんも、よく「娘が反抗期に…っ」って女性陣に相談してたっけなぁ…
相談回数が多過ぎたのか、その内「年頃の女の子は仕方ない」ってワンパターンな切り返しになってたが。
…ま、まぁフリスクはそれとは違うっぽいし…大丈夫だよな?反抗期とかじゃないよな???
ザッザッザ…
くだらない(いや、くだらなくはないが)事を考えながら歩いていた所為だろうか…
気が付くと、耳に入ってくる'足音が1つ増えていた。'
「A…っ」
『…振り返るな、そのまま気付いていないフリをするんだ』
「う、うん…」
下手に気付いている事がバレたら、何が起きるか分からない。
それならば気付いていないフリをして油断させる方がいいだろう。
いざとなったら相手を蹴り飛ばそう。
Lv100の蹴りを諸に受けた場合、無事の保証は出来ないが。
足音は何時迄も何時迄も着いてきた。
…何処まで着いてくる気だコイツ。
狙いは何だ、俺か?フリスクか?…いや、両方か?
警戒するも、一向に襲ってこない様子に段々と苛立ってくる。
来るなら、さっさと来いよ。
そうして歩いていると、目の前に太い枝が落ちていた。
気付かれないように。と意識が集中していたのか、フリスクは枝を踏み越えた。
フリスクに踏まれてもビクともしなかった枝。
だが
17人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時