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「なるほどね…感心したよ」
暫く歩いた先で、少し広い空間に入った時…
聞き覚えのある声が聞こえた。
「キミ、自分ではうまくやったつもりでしょ?
でも…この世界では殺すか殺されるか、だ。」
前を見れば…そこには、光に照らされる花が一輪…
「フフフ…さぞかし良い気分だろうね。」
ただし、普通の花ではない。
『なんだ、クソ花か』
「ちょっと、何その呼び名!ふざけてんのっ⁈フラウィだよ、フ ラ ウ ィ !!」
いつかの人面クソ花だった。
なんで居んだコイツ…
『お前なんかクソ花で充分だろ、実際クソ花だし』
「あ?…あー…仕方ないかー、名前も覚えられない残念頭だもんねぇええ?仕方ないねぇー?」
『…は?言ってろクズ花。そこらの汚物を栄養にして精々生き延びてろ』
「『…………。』」
「『あ"あ"???』」
頭の中でカーンッとゴングらしき音が鳴った気がした。
そんな俺達の間に慌てて割り込んできたフリスク。
「なんでそんなに仲悪いの⁈」と言っているが…
いや、お前ソイツに殺されかけたじゃねーか…
そんなフリスクに何を思ったのか、はんっと鼻で笑って離れたクソ花。
また何かするつもりなのかと背中に隠したら…
「またソイツに助けてもらうんだね」
心底呆れたように…そう言いやがった。
「だけどさ…もしも1人の時、殺人鬼に出くわしたら、どうする?」
うねうねと両腕?らしき葉を動かす。
シルエットだけなら人のように見える。
「そいつに何度も何度も殺されて…とうとう心が挫けたら?その時は…どうするの?」
じ…とフリスクと目を合わせながら言うクソ花。
その顔は見る間に歪んでいく…まるでホラーだな。
「苛立ちに任せて、そいつを殺しちゃう?それとも、この世界を完全に見捨てて……ボクに支配させてくれる?何故なら、ボクはこの世界の未来を担うプリンスだから!」
…プリンス?何言ってんだコイツ。
思わず白い眼差しで花を見下ろした。
コレが…王子様、ねぇ???
不気味な笑みを浮かべるだけでなく更には巨大化(顔だけ)までして高笑いし出したクソ花…
俺はその様子を、気持ち悪いな…と思うだけだった。
遂に頭沸いたか…?
「心配しなくていいよ、キミを殺して力を奪うつもりはない。それより、もっと楽しい事をやるつもりさ。」
そうして、サッと…地面に吸い込まれるように潜って消えた。
「今回は誰も殺さないと良いね?」
消える直前、なにやら不穏な言葉を吐き捨てるように言って…
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まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時