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殺されてしまう、か…
トリエルの言うアズゴアとは何者なんだろうか?
生物なのか、はたまた兵器なのか…
それはまだ分からないが、かと言って留まり続ける訳にもいかない。
行かなければ、地上に行ける可能性すら閉ざされてしまうのだから。
…ぶっちゃけ、飛行アイテムあればフリスクが落ちてきた穴から脱出とか出来たんだろうけどな…
くそう、ゲーム終了するし必要無いかもって去年モモンガさんにあげちゃったんだよなぁ…
いや喜んでたから悔いはないが。モモンガさんなら大切にしてくれるって分かってたし。
「それでも、ボク達は行くよ」
「⁈ そんな…っ、なんで分かってくれないの…?」
「…ボクは、1人じゃないし…約束、したから」
ちら、とフリスクが俺を見上げてきた。
……そうだな、約束したもんな。
『トリエルさん、そのアズゴアってのがどれくらい強いのかは知らないが…アンタも相当強いってのは分かる。その上で聞くが…今アンタの腕を完全に押さえ付けてる俺とアズゴア…どっちが強いと思う?』
ちなみに、潰さないようにかなり加減してるんだが。
そう付け加えて言うと、トリエルは驚いたように目を見開いて腕を見た。
「…確かに、抑えられているのに痛みを感じないわ…貴方、相当加減が上手いのね。言われるまで気付かなかったわ」
『どーも』
「ただの食いしん坊さんじゃなかったのね」
『ちょ、酷くないか⁈』
「ふふ、これくらいの仕返しは良いでしょう?…もう離してもいいわよ」
少しだけ穏やかさの戻った彼女の目…
それを見て、俺はそっと掴んでいた腕を離した。
床に無造作に放られたハンマーが、騒音を出しながら転がって行く。
そうして俺達に向き直って…
ひとつ深呼吸をしたあと、トリエルはまた少し険しい目をして言った。
「…これが、最後の警告です。2人共、家に戻りなさい」
『「断る!」』
間髪入れずに答えた俺達に、やっぱり…と呟いて、目を閉じて
「そう…」
次に彼女が目を開いた時、そこにあったのは覚悟を灯した目だった。
「なら、残る手段は一つしか無い…私を納得させてごらんなさい!貴女の強さを証明するのよ!」
その目が向けられているのは…フリスクだった。
つまり、俺ではなく…フリスクが証明しなければならないのだろう。
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まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時