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結果から言うと、探し回る必要は無かった。
「まだボク達が行っていない場所に居るんじゃないかな!」
というフリスクの言葉によって再度家の中を探す事にしたのだ。
尚、その際なにやら激しく咳き込んでいたため慌てて背中を撫でたら何故か頭突きをかまされた。解せぬ。
そして「確か、こっちの階段…降りてなかったよね」と階段を下りるフリスクに着いて行ったら…
居た。
トリエルだ。
何やら大きなハンマー?を掴み、正に振りかぶって…
その先を見て、俺は慌てて彼女の腕を掴んで止めた。
なんと…トリエルは、壁を破壊して何処かに繋がる扉を埋めようとしていたのだ。
突然現れて行動を止められたトリエルが、ギッと俺を睨み付けてきた。
……そんな顔、出来たんだなアンタ…
「な、ぜ…何故止めるの!これは貴方達のためなのよ!分かってちょうだい!」
『残念だけど、それは出来ない。フリスクは…俺達は地上に出たいから』
「トリエルさん…ごめんなさい」
「どうして…駄目、駄目よ!この遺跡から出た向こうは危険な場所なの、私は…私は何度も見てきた…」
ぐ…と、腕を引こうとする彼女の腕を潰してしまわぬように抑え続ける。
力結構あるのなトリエルさん⁈加減くそ難しいぞおい!!
こりゃ、加減に集中しないとうっかりやらかしそうだ…
という訳で対話はフリスクに頼んだ。
「トリエルさん…」
「此処に落ちた人間は、皆同じ運命を辿る…私は、この目で…何度も見てきた…っ」
ギュゥ、と掴んでいない方の掌を握り締めるトリエル。
その顔には、怒っているような、哀しんでいるような…いや…おそらく、何かを後悔しているのだろう。
そんな表情を浮かべていた。
悔やんでも悔やみ切れない、そんな何かを。
「此処へ来て…此処を出て行って…そして、死んでしまう。貴方達は何も知らないの…この遺跡から出れば…貴方達は彼等に……
アズゴアに、殺されてしまうわ」
「アズゴア…?」
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まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時