3 ページ18
……全く…この数時間で、どうしてここまで懐かれたのやら…
『…いや、あの世界は終わったんだ。今更帰る場所なんて無ぇよ』
「でも…リアルの世界は?元々は、そこに居たんでしょ?」
『…あの世界も、きっと保ってあと数十年って所だったさ。それに、此処はまだ地下だが…地上は綺麗な所なんだろ?』
「う、うん…春は暖かいし、夏は暑いけど海や山で遊べる、秋はご飯が美味しくて、冬は寒いけど雪遊びが楽しいよ」
『そりゃ楽しみだな……なぁフリスク、俺も連れて行ってくれよ。俺が知らない事を沢山教えてくれ、俺がやった事のない遊びも、食べ物も…』
「ボクが、教えるの?Aに?」
『…嫌か?』
余程驚いたのか目を丸くして俺を見るフリスク。
伏せていた目が開いている…相変わらず綺麗な金色だな。
「…ううんっ!教える!教えさせて!」
『おう。代わりに…そうだなぁ。地上に出るまで、守ってやる…約束だぜ、フリスク』
「うん!約束!…あ、でも無理はしないでねっ?Aが怪我するの、やだ…」
『ぶふっ…おま、Lv100の防御力なめんなよ?あのクソ花の攻撃だって0.1しか食らってないんだからな?』
「え。AのDEFとHPどんだけあるの」
『ん?…あー…大体……万くらいかなぁ』
「…チート?」
『ギルメンの中じゃ中堅くらいだったんだがなぁ…』
そんな事を話している内に気が付くと…フリスクは小さな寝息をたてていた。
やっぱ子供だな。
まだ9時を回っていないのに寝ちまった…
まぁでも…ただの子供には色々あり過ぎたんだ。
体力も限界だったろうし、仕方ないわな。
掛け布団を整えてやり、頭を撫でる。
ちなみに同じ部屋、同じベッドだ。
…いや、これに関してはトリエルに別にするよう言いに行ったら
フリスクに引き止められてな…結局同じ部屋になったんだ。
…多分、寂しかったんだろう。
知らない場所で殺されかけて、助けられたからって1人で寝れるか?
しかも、まだ小さな子供だ。
普通に考えて無理だろ。多分大人でも無理なんじゃないだろうか。
17人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時