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『いや…パイをいただいた時に言っていたカタツムリパイとは一体どんな物なのかと考えていてな…』
「あー…確かに、気になるよね…」
そもそもカタツムリって、食用だったっけ…?
どうやら上手く誤魔化せたらしく、フリスクはブツブツと考え込み始めた。
ぶっちゃけカタツムリ自体どういうモノかを俺は知らないが、彼女の様子からして本来は食べる物ではないのだろう。
ブループラネットさんならカタツムリを知っていたんだろうが…
こんな事なら、もっと色々聞いておくんだったな…
「そういえばなんだけど…」
『?どうした』
「…えっと、ボク…Aの事、全然知らないなって…」
そう言って俯くフリスク。
……うん?本当にどうしたんだ。
『知らないも何も、ほんの数時間前に会ったばかりだろう』
「そ、それはそうなんだけど…」
『…要は俺の事を知りたいと?』
遠慮がちに頷かれた。
…まぁ、異世界やらLv100やら言ってるしな…気にならない訳がないか。
『いいぞ、話してやる』
「ほ、ほんとっ?」
『ああ…まず、そうだな…俺が居た世界について……』
大気が汚染され、酸素マスク無しでは生きていけない世界だった事…
現実逃避のように、DMMORPGという体感型オンラインゲームにのめり込んでいた事…
それから、ユグドラシルでの事。
沢山の楽しかった事、悔しかった事…色々な思い出を話した。
ペロロンチーノというバードマンや、るし☆ふぁーという堕天使とやらかした事。
ぶくぶく茶釜というピンク色のスライムや、やまいこというネフィリムによく怒られた事。
ブループラネットや死獣天朱雀というエルダーエレメンタルから良く講義を聞かせてもらった事。
他にも、様々なメンバー達と過ごした事…
そして、そんな楽しかった仮想世界が終わってしまった事も…
「Aは…やっぱり帰りたい?」
布団の中から顔を覗かせるフリスク。
その顔はどこか不安気で…
まるで、帰ってほしくないと言ってるようで…
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まめまめ - 面白いです! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 85d12496b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白玉餅 | 作成日時:2018年11月12日 0時