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20、人ではない者って結局なんだろうね ページ21

貴「しかしっ...この子は苦しむかもしれない。普通になりたいと願うかも知れないっ!!
  私はその時、どうすればいいっ...私のせいなのに...。」


銀時「何いってんだよ。粉ミルクは嫌だっつって贅沢いって、乙女の乳を吸いやがったのはコイツだ。
  自らお前を母に選んで、お前の血をその身体に宿したんだ。」


貴「.....!」


銀時「そいつは、お前の家族になりたかったんだよ。」

「あうううー!ううー!!」

鎮が、私の頬を一生懸命撫でようとしている。


私とそっくりな肌の色をしていた。


貴「鎮...言葉がもう分かるのか...?だとしたら本当に....お前はっ...私の子だ。」



銀時「...白夜、そいつは養子にはなれねぇかも知れねぇが、お前の本当の息子になった。
  それは、嫌なことか?」




貴「そんなわけっ....ないだろう....!!」

嫌なわけない。


十年前に捨ててしまったもの。


その兄弟が、今目の前で喋っている。


そして私の血を持ったものが、腕の中にいる。




私が大好きなもの。




守っていたもの。



失ったもの。




そしてまた、戻ってきたもの。





......戻ってきた...?





貴「銀時...晋助は....小太郎は、辰馬は...今何をしている...?」




銀時「ヅラは今頃警察相手にバカやってんだろ。他の奴らは宇宙のどっかだ。」



貴「...昔の群れは、散ってしまったのか...もう戻れないのか....?」

銀時「...さあな。」


得たものもあれば失ったものもある。




十年も経ったのだ。




西へ、日の沈む方へ、ひたすら山の中、平原、森へ行く内に、



時が経っていたのだ。



何も変わらないなんてことがあるはすがない。



ここへ帰ってきたとき、私たちが暮らしていた場所が無くなっているのを見たときに


気がついてはいたのだ。


もう、あの笑顔溢れていた家族は、無いことを。




貴「銀時...お前は側で...笑っていてくれるか...?」


銀時「...ああ。だからお前もさ....。」







銀時「勝手にいなくなったりすんなよ。...心配、しちまったじゃねーかよ。十年も。」



ああ、私は本当に酷い者だ。



貴「すまなかった....銀。」




もし出来るなら




願いが叶うなら



昔に戻って




皆の手を握って




家族のままでいて




傷をお互いで塞ぎあって





皆で笑って。



そんな日が来ることを望む。



そんな日が今は無いことを






私は知っている。







――それでも、この先でいつか笑える日が来ることを望む。

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設定タグ:銀魂 , 万事屋 , 真撰組   
作品ジャンル:恋愛
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白い玉(プロフ) - 瑠李さん» 報告ありがとうございます!訂正します! (2018年2月19日 1時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 34話の主人公が言った言葉が私の価値じゃなくって勝ちですよ。 (2018年2月19日 1時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
白い玉(プロフ) - * *花菜**さん» おい笑 生きろー笑 (2017年12月31日 3時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
* *花菜**(プロフ) - だめだ、鎮くんにやられた… (2017年12月31日 0時) (レス) id: 71d0a5c15e (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクエストで主人公の昔の仲間が鎮が主人公の子だって知った他ときの反応がある作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきおつけて更新頑張って下さい応援します (2017年12月30日 16時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い玉 | 作成日時:2017年8月24日 23時

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