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2人目 ページ3

Aは我々国に来ていた。

理由は暗殺のための偵察。

ざく、ざくと砂利の道を進むと、やがて賑やかな城下町に出る。

城下町の人通りは多い。パンを必死に売っている人、子供たちと遊ぶ若い男、せっせと働く大柄な男、エトセトラエトセトラ・・・

非常にたくさんの人がいた。

かと言って狐面をつけた女が目立たない訳ではないのである。

Aはさっきからチラチラと人々の視線を感じていた。

「見られてんな。まあいいや。さっさと終わらせよ。」

そう彼女は呟いて、頭の中で我々国の地図を作る。

我々国の城はこの城下町の北側にあるらしい。南側に宿屋、西側に貴族街、東側に庶民が暮らす街、そして中央に屋台が並ぶ商店街。

北の我々城に総統とやらがいるのか、と適当に考えながらAはふらふらと歩く。

どうやら幹部の一部はよくこの街にやって来るらしい。

危機感がないな、とAは思った。

「どうしようか。まあいつものやり方でいっか。」

彼女は呟く。彼女の暗殺者としての能力はずば抜けてよかった。

気配を消す能力、瞬時に相手を殺せる反射神経、そして、相手を殺すことに躊躇しない冷酷さ。

その全てがAにはあった。

まず絶対に相手に気づかれないよう、完全に気配を消す。

優秀な国の幹部なんかはそれでも気づくのだが、それでも相手が大声を出す前に殺してしまう。

ターゲットを殺す時、誰にも邪魔されないよう、万全の対策をしていく。

彼女は無駄なことはしない。

それが、「妖狐の暗殺者」と呼ばれる、伝説の暗殺者、Aのやり方だった。

Aは特に作戦は立てていかない。

その場の状況判断だ、とAは言う。

それでいて失敗をしたことがないのは、Aの才能のおかげであろう。

いつも通り国の地図だけ作り、特に何も考えずさっさと引き上げる。

世界1、2を争う軍事力を持つ我々国の総統がターゲットだと言うのにそうしたのは、彼女に、「自分が失敗をするはずがない」という自信と、今までの戦歴を振り返った時の優秀さ、そして城下町の平和さから出た油断があったからであろう。






  「完璧」を称する「妖狐の暗殺者」の判断が常に正しいとは限らない。

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日高ナツメ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!お褒めの言葉をいただきとても嬉しいです。続編・・・が、頑張ります。 (2019年12月14日 16時) (レス) id: 661788b92d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 完結おめでとうございます とっても面白かったです 続編楽しみにしています 頑張って下さい(・w・) (2019年12月14日 13時) (レス) id: 3a1e97a875 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - 鈴114514号さん» ありがとうございます!了解しました。今書いていますので少々お待ちください! (2019年11月30日 23時) (レス) id: e00371fa87 (このIDを非表示/違反報告)
鈴114514号 - 楽しく読ませてもらいました!ありがとうございます。 私は4、この後のお話などがやっぱり見たいです! ナツメさんの都合でよろしいです。てかナツメさんが決めて下さい(( 応援しています!!!(爆音) (2019年11月30日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます。了解です! (2019年11月27日 21時) (レス) id: a414d96f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日高ナツメ | 作者ホームページ:ないぞ!  
作成日時:2019年11月2日 21時

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