18人目 ページ19
彼女はふらふらと廊下を歩く。
それに後ろから近づく怪しい影。
・・・ゾムだ。
彼の手には拳銃。
いや、なにも彼女を殺そうとしているわけではない。
もちろん中に弾は入っていない。ちょっとした悪戯である。
zm『・・・』
ゾムは無言で彼女の頭に拳銃を突きつけた。
彼女はピタッと止まる。
ゾムは込み上がってくる笑みを必死で抑えている。
彼女の頭はフル回転していた。
(俺は何かこいつの気に障ることでもしたのか？)
(いや、でも俺がこいつと話したのは自己紹介の時だけだ。)
(普通二度目に出会った相手に拳銃を突きつける事はしないだろう。)
彼女のたどり着いた結論は。
(・・・悪戯か。)
今さっき鬱先生に教えてもらったこと。
対処法だって知っている。
彼女はズボンのポケットに手を伸ばし、これ見よがしに箱を開ける。
zm『げっ、タバコ！気づくのかよ！つまんなぁ。・・・もしかして、フォック、喫煙者？』
タバコを見たゾムはすぐに拳銃を下ろす。
先程の微かに笑った不気味な顔は、不安げに彼女の顔を覗き込んでいる。
「ククッ、本当によく効くんだな。安心しろ。俺は喫煙者ではない。一応吸えるが。」
zm『はー、よかったぁ。この城喫煙者多すぎやねん。・・・あ、俺がタバコ嫌いってこと、誰に聞いた！』
ゾムはハッとしたように怒鳴る。
「鬱だが。タバコも鬱にもらった。」
それを聞いたゾムは歯をギリっと鳴らす。
zm『クッソ、俺の伝統行事が！』
「伝統行事？」
zm『俺な、新人には必ず悪戯してんねん。効かんかったんはお前が初めてや。』
「そうなのか。じゃこれからも悪戯はやめてくれ。やるんなら鬱にでもやってくれよ。」
zm『身内を売るのか。・・・だが断る！悪戯は俺の生きがいや！』
ゾムは彼女に向かってビシッと指を指す。
なんだそれ、と呆れた彼女は、タバコの箱をゾムの目の前でチラつかせた。
ほのかに香るタバコの匂い。
ゾムはタバコからバッと顔を遠ざけた。
zm『うっ、ごめんやん！やからタバコしまってぇや。』
即座に謝るゾムを見て、彼女は満足げにタバコをズボンのポケットにしまった。
zm『くっそぉ。いつか絶対復讐してやるからな！！！』
そう吐き捨てて、彼はやられた悪役のように走り去っていく。
その言葉に顔をこわばらせた彼女は、タバコは常備しておこうと心に誓ったのだった。
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日高ナツメ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます！！お褒めの言葉をいただきとても嬉しいです。続編・・・が、頑張ります。 (2019年12月14日 16時) (
レス) id: 661788b92d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 完結おめでとうございます とっても面白かったです 続編楽しみにしています 頑張って下さい（・ｗ・） (2019年12月14日 13時) (レス) id: 3a1e97a875 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - 鈴114514号さん» ありがとうございます！了解しました。今書いていますので少々お待ちください！ (2019年11月30日 23時) (レス) id: e00371fa87 (このIDを非表示/違反報告)
鈴114514号 - 楽しく読ませてもらいました！ありがとうございます。 私は4、この後のお話などがやっぱり見たいです！ ナツメさんの都合でよろしいです。てかナツメさんが決めて下さい(( 応援しています！！！(爆音) (2019年11月30日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます。了解です！ (2019年11月27日 21時) (レス) id: a414d96f78 (このIDを非表示/違反報告)
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